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仮想空間のハロウィン「バーチャル渋谷」に潜入、操作が意外と難しい

リアル渋谷でのハロウィンは「自粛を」

 上述のように、渋谷区はこのバーチャル渋谷を公認している。言い換えれば「ハロウィン当日は本物の渋谷に来るのを控えてほしい」ということだ。  従って、10月31日のリアル渋谷にはコスプレ衣装に着替えるための更衣室や仮設トイレは用意されない。渋谷区内の酒店でもアルコール飲料の販売が自粛されるという。またそれと同時に、約1億円を投じて渋谷駅周辺の警備を強化すると区は表明している。警察官も配置されるはずだ。  現実的に考えれば、ハロウィン当日のリアル渋谷には、どれだけ「来ないで」と呼び掛けても多くの人が集まるだろう。が、蓋を開けてみれば盛り上がりに欠ける光景が繰り広げられるのでは、と筆者は考えている。

操作はシューティングゲームの要領だが…

FPSの操作

操作はシューティングゲームの要領だが、慣れていない人には高難易度

 ところで、clusterのアバターの操作は標準的なFPSと同じものだ。FPSとは「First-person shooter」、即ち一人称視点のシューティングゲームだが、この操作に慣れていない人も少なくない。  スマホでのFPSの基本は「左手親指で移動、右手親指で首振り」である。首振りとは、要するに視界の操作。人間は二足歩行と首の動作を同時にこなすが、それを左右の親指で再現する。理解している人にとっては何気ない操作だが、そうでない人には相当に難度が高い。このあたりも情報格差を形成する要因になっている。 バーチャル渋谷 バーチャル渋谷のハロウィンは、あらゆるイベントの「仮想空間移行」を推し進めるだろう。が、それ故に「イベントに参加できる人」と「参加できない人」の格差が発生してしまう可能性もある。「格差の向こう側」に取り残されないためにも、今のうちに仮想空間の歩き方を練習しておくのもいいだろう。<取材・文/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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