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森山未來×勝地涼がボクサー役で共演「壮絶な試合シーンにはクレバーさが必要」

 元日本ランカーのボクサー、若手の天才ボクサー、芸人ボクサーが、人生の再起を懸けてリングに上がる姿を、『百円の恋』の製作陣が描いたルーザーたちの物語『アンダードッグ』【前編】【後編】が11月27日に同時公開になりました。
森山未來×勝地涼がボクサー役で共演

森山未來さん 勝地涼さん

 7年前の日本タイトルマッチで敗れ、かませ犬としてリングに立ち続けている主人公・末永晃を演じた森山未來さんと、テレビの企画でボクシングに挑戦する芸人の宮木瞬を演じた勝地涼さんにインタビュー。【前編】のクライマックス、リング上で向き合ったふたりに、撮影時のこと、また、ドラマ『さよなら、小津先生』(01)以来の付き合いである互いの印象を聞きました。

試合シーンは、闘争心や本能より冷静さが必要

――前編のクライマックスはお二人の試合です。本物の試合にしか見えませんでした。 森山未來さん(以下、森山)「実際のボクシングは闘争心や本能をむき出しにして戦うことが必要だと思いますが、映画の場合は、ああいうときこそ冷静でいる必要があります。そうじゃないとケガしますからね。与えられた振付と言ってしまえばそれまでですけど、それを忠実にやりつつ、冷静さも持ちつつ、芝居としてどう反応していくかということになるので、ある種クレバーにいく必要があります」
壮絶な試合シーンにはクレバーさが必要

『アンダードッグ』より

勝地涼さん(以下、勝地)「僕はそんなクレバーじゃなかったですけど。もう必死(笑)。冷静さを保とうとはしますが、振りとしても覚えることがすごく多いし、本当に大変でした」

監督はブルドーザーみたいな人

――撮影現場の全体の空気感はどんな感じでしょうか。本物の試合のようにワーっと空気が盛り上がっているのか、それとも冷静なのか。 勝地「現場での武(正晴)監督の気合の入り方がすごかったんです。ピリピリしているというのではなくて、みんなで作りあげているという空気感に、スタッフだけでなくお客さんも巻き込む。だからどんどん盛り上がっていく」
監督はブルドーザーみたいな人

『アンダードッグ』より

森山「武さんは、素晴らしい監督ですが、まず超一流の助監督。キャリアがまずそこ。この前、たまたま『血と骨』(04)を観たら、そこでも応援で助監督に入ってました。名だたる監督のもとで、助監督を経験してきた人で、現場でブルドーザーと言われてたらしいです。例えばゲリラ撮影だとして、絶対成立させる!と押し進める強さが半端ないというか。  だから今回の試合のシーンも、何百人もいるエキストラを盛り上げていく。それって本当は、監督の仕事じゃないですからね。でも率先してやっていく。そしてそれが武さんの技術でもあるし、僕らからしても、そうした空気があるとないのとでは違うんですよね」
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二人で飲みに行った話
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劇場版『アンダードッグ』【前編】【後編】オフィシャルサイト
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