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トランプを熱烈に支持する日本人たち。熱いエールを送る理由とは

トランプは安倍政権の「上位互換」だった

トランプ支持者 なぜ米国の大統領であるトランプを、米国の支持者以上の熱量で応援する日本人が多いのか? 国内保守派の動向に詳しい文筆家の古谷経衡氏は、背景に日本の保守政治家への不満があると指摘する。 「彼らがトランプ大統領を支持する最大の理由は、米中貿易戦争に象徴される対中政策にある。政権を奪回した’12年の総選挙で、自民党は公約に『尖閣諸島への公務員常駐』を明記したが、第二次安倍政権が発足すると、保守派が望む対中強硬論は事実上、反故にされた。  一方、強硬な対中政策を実行するトランプは、頼りがいのある存在として浮上したわけです。安倍政権の上位互換としてトランプを認識したので、米国の保守派以上に熱烈に支持したのです」  では、バイデンが大統領に就任したら、国内の保守派は冷ややかな視線を送るのだろうか。 「就任直後、対日貿易不均衡の是正や在日米軍の撤退を主張するトランプ大統領に保守派は戦々恐々で、保守の重鎮の櫻井よしこ氏も『(ヒラリー・)クリントン氏に勝ってほしい』と言っていた。だが、北京が恐れるのはトランプではなく、国際社会と協調して対中包囲網を築こうとするバイデンです。こうした政策が実行されれば、トランプのときと同様に、保守派はバイデンを支持するでしょうね」  対米追従は変わりそうにない。
江崎道朗氏

江崎道朗氏

【評論家・拓殖大学大学院客員教授・江崎道朗氏】 団体職員、国会議員政策スタッフなどを務め、安全保障、インテリジェンスに従事。’19年、正論新風賞。近著『米中ソに翻弄されたアジア史』(扶桑社刊)ほか、著書多数。
渡邉哲也氏

渡邉哲也氏

【作家・経済評論家・渡邉哲也氏】 インターネットでの欧米、韓国経済の批評が話題となり、’09年『本当にヤバイ!欧州経済』(彩図社)を出版。欧州危機を警告しベストセラーになる。著書多数。
古谷経衡氏

古谷経衡氏

【文筆家・評論家・古谷経衡氏】 インターネットとネット保守、若者論、社会、政治、サブカルチャーなど幅広いテーマで執筆評論活動を行う。近著『毒親と絶縁する』(集英社新書)ほか著書多数。 <取材・文/齊藤武宏 取材/山本和幸>
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