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<純烈物語>11・5渋谷公会堂ライブレポート たったひとりの観客の前でも唄い続ける意味

純烈渋公1

開演前、大勢の記者の前で囲み取材に応じる純烈

<第74回>今だからやれることに向かい合う――11・5渋公「観客1人ライブ」リポート

 これまで当たり前のようにやれていたことができなくなる――人種や職種、立場を超えて地球上のみんなが同じ思いを経験したのがこの2020年という年だった。そしてそれは、年が明けてもゼロにはならない。  この一年の純烈を追ってきて思ったのはできない現実の見極めと、その中でやれることを同時進行させる大切さだった。2月末の時点でリーダーの酒井一圭は年内のライブ活動をスッパリと諦めた。  確証もないのに「事態が好転すれば再開できるかも」という期待を抱いている限り、先には進めなかった。同時に“やれない=何もやらなくていいではない”という考えも持っていた。  何もやれないのではなく、むしろ今だからできる形があるはず。さまざまなジャンルで無観客ライブはおこなわれてきたが、スポーツ中継と比べるとエンターテインメントは見せ方の幅が広く、頭を使えば会場では味わえぬものを形にできる。  6月23日の東京お台場 大江戸温泉物語における10周年無観客ライブの時点で、11月5日にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)配信コンサートをおこない、たった1人の観客の前でパフォーマンスをするという案は出ていたという。もしもコロナ禍にならなければ、こうした発想は浮かんでこなかっただろうし、あったとしても実現させるのは難しい。  配信ライブにすることで制作費を賄うという前提がなければ不可能な試みは、まさに今だからできること。何より、自分だけのためにあこがれの純烈が目の前で歌うのは、ファンならば一度は思い描く究極の夢である。  たとえ抽選に当たらずとも配信では見られるのだから、ほかの純子&烈男の皆さんを置いてきぼりにすることはない。むしろ、SNS上には「当選おめでとう。私たちの分も純烈のライブを生で楽しんでください」といった声が寄せられた。このあたりの“間合い”は、通常のアーティストよりも近い距離で関係性を築いてきた純烈と、そのファンだから成り立っていると言っていい。

倍率1000倍!選ばれたのは5人の子を育てるシングルマザー

 1000倍という競争率の中で選ばれたのは、5人のお子さんを育てるシングルマザーで葛飾区在住の曽根優子さん(44歳)。当選メールが届いた時は驚きと信じられない気持ちのあまり、家族にそれを見せ回って間違ってはいまいか確認してもらったという。もう、一家をあげての大騒ぎだ。 「純烈さんのファン歴としては3年ちょっとなんですけど、ガオレンジャー時代のリーダーのファンだったんです。いったんファンはやめたんですけど活動は見続けていて、家の近くに純烈さんがキャンペーンに来るということで、ちょうどそこにいく予定だったこともあって“ついで”で見たらハマってしまいました。  ファンとの距離が近いし、お喋りも面白いし、隠したいと思うようなところも言っちゃったり。3年ですけど中身は濃くて、コンサートもスーパー銭湯も追っかけていました。今は小田井涼平さんのファンです。リーダーじゃなくなっちゃいました。小田井さんは面白いしやさしいしカッコいいしで、全部持っている。LiLiCoさんが羨ましいです」  シングルマザーの曽根さんにとって、子育ての疲れを癒してくれるのが純烈の存在だった。笑顔になれば女性ホルモンも活発化し、若返っているという実感も得られる。ちなみに5人兄妹の下2人が女の子で、お母さんと一緒に4人して唄を歌うおじちゃんたちが好きだったらしいが、お姉さんの方がファンを卒業しSnow Manに走ったとのこと。女の心変わりは恐ろしい。  それでも一番下となる小学1年生の娘さんは今も純烈大好きで、この日も一人でいかなければならない母へすがりつくかのように「私もいく!」と駄々をこねた。渋公前に着いた優子さんを2人のイケメン執事(本間優太&龍真)がお出迎え。ご招待なので、まずは個室へと招かれる。
純烈渋公2

たったひとりの観客のために設営された「グッズ売り場」

 会場内に入ると、たった1人のお客さんのためにグッズ売店ブースも設置されていた。今回はライブの模様だけでなく、こうしたバックステージも常時ツイッターで配信。全国のファンにもできるだけ臨場感を味わってほしいという狙いからだ。
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2083席の会場にたったひとり
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