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キャバ嬢が選ぶ今年の漢字は「沼」。そのこころは?

―[キャバ嬢に訊け]―
 京都の清水寺で1年の世相を漢字一字で表現する「今年の漢字」が日本漢字能力検定協会より発表された。一般公募で第1位となった漢字は「密」だったが、夜の世界で生きるキャバクラ嬢はどんな字を選ぶのだろう。  今年もキャバ嬢達に、1年で起きた個人的ニュースとともに「あなたの今年の漢字」を聞いてみた。

「泣」

レナさん

レナさん

 まず話を聞いたのは大阪のラウンジに勤務するレナさん(仮名・25歳)。 「今年はコロナで店が暇だったので『ピエン』です。あ、漢字ですか? それなら『泣』。元々、ヤル気はなかったのですが、唯一週5日出勤できるキャストとして店では重宝されていたんです。でも、休業要請で店が休みになり、店が再開された後も週2出勤に減らされていました……。ママに『もう少し出勤したいなぁ~』とさりげなく訴えても『また次にね~』とサラッと流されるだけ!
ジャケット

ヒョウ柄しか持ってないよ!

 しかも、今は大阪も第三波といわれているのでますます暇に。この前なんかあまりにもお客さんが来ないから、ついに昼の仕事の求人に応募したんです。でも、面接に着ていく服がない。裏地がヒョウ柄か肩にスタッズの棘が付いているのしか持ってないし(笑)。安いリクルートスーツで調べてみても7500円くらいするし、そんなのにお金払いたくない……。まさにダブルピエンです!」

「禿」

薄毛

写真はイメージです(以下同じ)

 大阪のキャバクラに勤務する楓さん(仮名・28歳)が選んだ漢字は「禿」だ。 「今年の漢字を一文字で表すなら『禿』ですね。私ってなぜかハゲにモテるようで、お客さんの7割がハゲなんです。その中でもいつもセクハラしてくるハゲがいて、常に太ももとか胸とか触ろうとしてきてマジ、キモイ。でも、そのハゲ客がコロナで休業になってからさっぱり見なくなったんですよ。  私的にはラッキーとしか思わなかったのですが、つい先日お客さんと同伴で焼き鳥屋に行ったときのこと。カウンターに座っていたのですが、隣になんか見たことのあるハゲがいたんです。ふと横を見てみると……そのハゲ客だったんです。しかも、ハゲも同伴中だったらしく一緒にいたスナックのママみたいな人にずっとセクハラ発言してるんです。もう、相変わらず気持ち悪すぎてなるべく横を見ないようにしていたけど、焼鳥の味が全然しなかったです!」
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キャバ嬢が選ぶ今年の漢字は「沼」に決定
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano

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