コロナ禍で観葉植物の需要増「売上1.5倍、若いお客さんが増えた」
ついに「第3波」が到来し、一向に収まる気配が見えない新型コロナウイルス。感染拡大防止のため、生活を一変させた人も多いのではないだろうか。これまで、アクティブに動いていた人ほど、2020年は外出自粛を強いられ慣れない生活に戸惑いを感じたかもしれない。
そんな中、リモートワークなどの普及で、自宅で観葉植物を育てる人が増えているという。株式会社渋谷園芸の店舗統括・グリーンアドバイザーの伊藤能久さんに話を聞いた。
コロナ禍において、観葉植物の需要が増えているというのは本当なのか。
「本当です。観葉植物に限らず、園芸全般が好調です。売上的には、2019年の1.2倍から1.5倍と言えます。従来のお客さんのほか、“ちょっとやってみよう”という人が増えた感じです」(伊藤能久さん、以下同)
園芸といえば、シニア世代の趣味というイメージをもつ人も多いかも知れない。だが、今回の園芸ブームはこれまでとは違い、30~40代の客層が増えたそうだ。
「全体的に若くなりました。子連れの若い女性が花を買っていくのも増えました。もちろん、男性も増えています。男の人で花を植えてみたっていう人もいます。男の人は一人で来る人も多いですけど、奥さんと一緒に来たり、友達と来たりとかも多いですよ」
意外にもバリバリと会社で働いている世代を中心に広がりを見せている園芸。これはテレワーク普及の影響と言えるのかもしれない。
しかし、これまでも観葉植物や、園芸が盛り上がった時期はあったという。
「園芸は不景気だと需要が増えるんです。例えば、不景気だと、海外旅行とか遊びに出ないじゃないですか。家でやれるような園芸は、不景気だと人気が出るんです」
さらに、最近のアロマブームも、花や観葉植物人気を後押ししているらしい。
「ロクシタンみたいな、自然なフレグランスの香りが好きな人って、花も好きなんです。アロマオイルが好きな人も、植物を育てるようになるんですよ。でもまあ、逆に、植物が好きな人が、アロマオイルを好きになるというわけではないんですけど……」
色々な要因が重なり、新たな層を含めた園芸全般のブーム。今、注目なのは『塊根植物』だという。
「少し前に男性誌で取り上げられたのもあり、若い男性を中心に、塊根植物と呼ばれる、ちょっと珍しい植物が流行っています。根っこが太くて、葉っぱが面白い感じなんです。ビザールプランツとも呼ばれていて、インスタグラムなどにも投稿されています。男の人の方が、こういうのに凝るのは多いですね」
在宅勤務が増えて、緑によって癒されている人もいるはずだ。実際に、観葉植物は、身体にも良い影響があるのだろうか?
「観葉植物は生きているので、もちろん癒しの効果はあります。昔よく言われたのは、サンスベリアが、空気清浄効果があると言われていました。ただ、空気清浄機と比べると、かないませんが……。植物全体に、空気清浄力はあるけど、心の癒しって感じですね」
コロナ禍で若い世代の客が増えた
不景気だと、観葉植物のニーズが高まる
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出版社やWeb媒体の編集者を経て、フリーライターに。趣味はプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。X(旧Twitter):@rizeneration
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