夢見がちな社内ニートの日常
―[社内ニートの(驚)処世術]―
企業に雇用されながらも職務に従事していないサラリーマン、「社内ニート」。何と全雇用者の8.5%が該当すると言われる。その多くは将来不安や自己の存在否定などに悩んでいるが、なかにはクビにならぬよう、あの手この手を尽くしたり、社外で担保をつくって将来不安から逃れている社内ニートも。彼らに社内サバイバル術を学べ!
【LOVE&FREE!オフィスで妄想が止まらない】
山中 樹さん(仮名)31歳・SE
自称「旅好き」の山中さんは「『地球の歩き方』を超える旅行本を出版するのが夢」と、業務時間中はネットで憧れの国々の秘境やエロ文化、マイナーな観光名所などといった情報収集に精を出している“夢見がちニートSE”だ。
「振られた仕事を延ばし延ばしにしてサボっていたら、自然と存在すら無視されるようになりました(笑)。たま~に仕事が回ってきても『今、別の案件でトラブってまして』と適当な言い訳をして済ましています。一応、パソコンの前で『う~ん』と難しい顔をして、ごまかしたりもして。裏では『頼むだけムダ』と言われてるみたいですけどね……。でも、いちいち評価を気にしていたら社内ニートなんかやってられない。楽して旅行資金を稼がせてもらえてるんだから、何の文句もありませんよ」
新人の教育係を任されたこともあったが、「わからないことがあったら話しかけて。でも、できるかぎり自分でなんとかしてね」と放置。見かねた同期がフォローに回り、事実上教育係を干された。
「自分がやらなくても、最後には誰かが代わりにやってくれる。結局会社は回るんです。デキるヤツに『ごめんね~、ありがとう』って甘えたもん勝ちですよ(笑)」
上司からは「お前、いつ辞めんの?」と冗談とも取れないような小言も言われているというが……。
「自分のモットーは“自分らしく”なんで、周囲の目は気にしていません。目指すのは旅人であり自伝も出している高橋歩さんのような“自由人”です。今後はカメラの技術や文章の腕を磨くために通信スクールに申し込もうかと。仕事のために生きるのではなくて、自分が本当に“活きるため”に仕事をする、これがポリシーです」
旅好きを称しつつ、山中さんの旅行歴は3回。アメリカ、中国、韓国といった定番の国にそれぞれ数日滞在したのみだとか。彼のLOVE&FREEが実現する日は、果たして訪れるのだろうか。
【極意】
タダで夢を見られて給料ももらえる、今の環境に感謝!
― 社内ニートの(驚)処世術【6】 ―
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