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社内ニートでもいい人キャラを演じれば出世できる

企業に雇用されながらも職務に従事していないサラリーマン、「社内ニート」。何と全雇用者の8.5%が該当すると言われる。その多くは将来不安や自己の存在否定などに悩んでいるが、なかにはクビにならぬよう、あの手この手を尽くしたり、社外で担保をつくって将来不安から逃れている社内ニートも。彼らに社内サバイバル術を学べ!

【イイ人キャラを確立できれば社内ニートでも出世できる!】
河田泰治さん(仮名)37歳・メーカー

河田さんの一日 地方中小企業に勤める河田さんは、社内ニートとして生き抜く術を「はてな」に綴るほどの「プロ社内ニート」と言いながらも、課長職だという。何だかんだ優秀だから出世したのでは?と思いつつ普段の業務について尋ねると、「えー、わかんないです。毎日朝から晩までネット見てるだけで、会議中も何も話聞いてないですし(笑)」。

……どうやら本物のようだ。

「ニート状態を確保するために、いかに周囲に仕事を振るかばかりを考えてますね。僕は仕事ができないから、そのほうが全体にとってもいいんですよ。仕事を振るには、社内の愛されキャラになるのが一番。仕事そっちのけで、みんなと仲良くなることだけを考えて生きています(笑)」

 仲良くなると簡単に言うが、会話上手でないと難しいのでは?

「社内ニートには、コミュニケーション能力は不可欠です。とはいっても“人当たりのいい人”を演じればいいだけ。僕も、実は人見知りで殻にこもりがちなタイプですが、社内ニートとして生きるべく、入社時から“フランクなキャラ”に徹しています。上司に会えば必ず話しかけ、後輩にはねぎらいの言葉をかける。役職持ちの上司は下の人からフランクにされることが少なく、寂しく思ってますから、少し話しかけるだけで印象に残ります。後輩も、社内に褒めたり励ましたりしてくれる人はあまりいないので、その役を買って出れば自分に忠実な子分になる(笑)」

 しかし、仕事をしていない人がヘラヘラ話しかけてきたら、かなりイラッとすると思うのだが……。

「そこで重要なのが、仕事していないと悟られないことと、“何か持ってる”感を醸し出すこと。僕は、仕事してないくせに、一応毎日21時まで、遅いときは0時まで会社にいます。その間にネットで得た情報を、煮詰まった会議のラストなどにポロッと提案すると、意外と簡単にデキる風に見せることができる。例えば、これは地方特有かもしれませんが、マーケティングの部署なのに、食べログのステマについて誰もロクに知らないんですよ。おかげで、ネットで得たステマ情報を話しただけで、感動されました(笑)。自分の部署内で弱い知識をドヤ顔で語るだけで“持ってる”感は出せます」

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 しかし、今いる場所で自分のキャラをいきなり変えるのは逆効果。その場合、思い切って異動や転職をし、それを機にキャラチェンジを図るのも手だと河田さんは語る。

「社内ニートは、仕事内容には執着がないはずなんです。仕事にこだわりや野心があれば、社内ニートになってないですからね(笑)」

 結果的に出世した河田さんを見ると皮肉だが、のらりくらりイイ人をやっているだけで役職に就けるなら、こんなにいい話はない。

【極意】
イイ人キャラを演じれば仕事せずに会社に居座れる

イラスト/服部ともあき 取材・文/朝井麻由美
― 社内ニートの(驚)処世術【4】 ―




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