携帯ゲームに生きがいを見出す社内ニート
―[社内ニートの(驚)処世術]―
企業に雇用されながらも職務に従事していないサラリーマン、「社内ニート」。何と全雇用者の8.5%が該当すると言われる。その多くは将来不安や自己の存在否定などに悩んでいるが、なかにはクビにならぬよう、あの手この手を尽くしたり、社外で担保をつくって将来不安から逃れている社内ニートも。彼らに社内サバイバル術を学べ!
【モバゲーのアイテムを高く売ることに充実感!】
若田誠二さん(仮名)30代・公務員
難関の試験を突破し、基本的に解雇されることのない国家公務員になった若田さん。数年後、その立場で“失業”するとは思いもよらなかっただろう。
「きっかけは、組織内でも閑職と見なされている部署への異動でした。特にヘマをしたわけではないですし、仕事は早いほう。組織の都合としか言えません」
異動した若田さんが任された仕事は、マスコミ動向のチェック。
「といっても雑誌をめくるだけの簡単なお仕事です(笑)。関係のある記事をピックアップし、報告する。慣れてくれば1時間で終わります。また、新聞に関しては就業前に自宅である程度チェックし終えているので、そのまとめをするだけ。その後、決まったサイトを巡回し、同じ作業をする。のんびりやっても4時間で終わります」
午前中でやることがすべて終わることもしばしばという若田さん。しかし、部署の人間は多かれ少なかれ、似たような失業状態のため、周囲に求めても仕事がないのだ。職場に絶望をしていた若田さんだが、ある日、転機が訪れた。
「モバゲーです。もともと興味はなかったのですが、あまりにも暇なので登録してみたら、携帯を開けばいつでも遊べるソーシャルゲームがたくさんある。5つほど気になったゲームを登録してみると、そのゲームをやるだけで、一日の時間が足りなくなったんですね」
もちろん、暇な就業時間中は、スマートフォンをマウスの横に置き、さりげなくプレイ。そんなある日、『大熱狂!!プロ野球カード』というゲームでレアなカードを引いた。このことが、さらにゲームにハマるきっかけに。
「ダルビッシュ有のカードだったのですが、私の選んだ球団には必要ない。そこで、前から気になっていたリアルマネートレードをしようとネットオークションに出品した。すると3万円の価格がついたんです! それから、レアカードやほかのゲームのレアアイテムを手に入れてはオークションで転売するのを繰り返しました。ゲーム中は没頭するので適度に疲れますし、頑張って手に入れたアイテムの価格が吊り上がっていくのを見ると、長らく職場で感じていなかった充実感が味わえるんです」
現在も毎月2万~4万円をコンスタントに稼いでいるという若田さん。今はできるだけ現部署で働き続けることを希望している。
【極意】
大事なのはカネじゃない。モバゲーなら充実感を味わえる
― 社内ニートの(驚)処世術【5】 ―
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