正月から深夜残業…コロナのしわ寄せで休めなかったメーカー社員の年末年始
2021年が幕を明けたが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止の政府の提言により、10連休以上の休みをとったという人も。
「今はSEという立場上、シフト勤務なんです。SEはただでさえ人手不足なのに、コロナで遅れた新商品の発売がまとまったものだから秋から徐々に激務になっていきました。11月は午前8時に出社して深夜2時、3時までは当たり前。会社から家までタクシーで帰ると6000円以上かかるので、会社の近くに住んでいる同僚の家やネカフェで2時間ほど寝てまた出社……なんて日も。先日なんて久しぶりに終電で帰れたのに、あまりにも疲れていて電車で寝過ごしてしまったんです。終点まで行ってしまったので家まで帰るのにタクシーで7000円もかかってしまい、その日の残業代がすべて飛んでいきましたよ……」
さらに、12月に入るとシフトどおりに休めない日も増えたという。
「一応、週休2日なのですが、あまりにも人出不足なので急に休みが変更することも。特にクリスマスは派遣社員のほとんどが休みたいと言い出したので、僕の休みはギリギリまで決定しませんでした。結局、休みがとれたのは21日でそれも前日に『明日、休みで』と言われました。クリスマスは彼女と過ごす予定だったのですが案の定、24日と25日は人が足りずに僕ともう1人のマネージャーで深夜1時まで残業していましたね……」
年末になると、さらに追い打ちをかけるような出来事が起きたという。
「他のマネージャーの家族がコロナに感染してしまったんです。彼自身が濃厚接触者となってしまったので、自宅待機を終えるまで僕を含めて3人のマネージャーで回さなければいけなくなってしまいました。それまで平均10時間勤務だったのが1人足りなくなったことでさらに激務に……。会社からは『これ以上残業はしないでほしい』と言われても、終わらないものは無理じゃないですか。しかも、2週間分ほど残っている有給も消化しないといけないので正月はせめて三が日まで休みたいと申請したんです。しかし、直前に却下されてしまい31日と元旦の2日間しか休めませんでした……」
のんびりとした年明けを過ごした者も多い中で「休み? そんなもん2日間しか取れませんでしたよ……」、そう重い口ぶりで話すのは都内の電機メーカーでマネージャーとして勤務する原田匠さん(仮名・33歳)。これまでも何度か、モンスター派遣社員に悩む姿を取材させてもらっている原田さん。今回は、正月休みを返上して激務に追われていた彼の年末年始を紹介したい。
コロナのせいでさらに激務に
同僚が濃厚接触者になったせいで……
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