コロナ禍でコンビニバイトを始めた経営者「年下の大学生に怒鳴られる」
一都三県に加えて、新たに七府県で「緊急事態宣言」の発令が決まるなど、新型コロナウイルス感染拡大の猛威は一向に止む気配がない。飲食店や旅行業界が受けたダメージはすさまじく、政府は「Go To」などのさまざまなキャンペーンを打ち出して救済にあたっていたが、それもストップしてしまった。
ただ、彼らは救済の恩恵を少しでも、短期間でも受けられたからマシだ……そう主張するのは、イベントや舞台など、いわゆる「エンタメ業界」で働く人たちだ。彼らは仕事が「激減」あるいは「全くない」状態にある。
神奈川県在住の細田一樹さん(仮名・50代)は、十数年前に大手広告代理店を辞め、イベントプロデューサーとして独立、会社を立ち上げた。現在はディレクターやアシスタントなど数名が所属する小さな会社も経営しているが、昨年3月以降、請けた仕事は2件のみ。
「オリンピック関連の特需もあり、この数年は本当に仕事が多かった。社員も増やし、2020年をきっかけにして、事業の拡大をしようと思っていた矢先のコロナです」(細田さん)
ここ2~3年の好調で、わずかながらではあるが会社としての貯蓄もあったことが不幸中の幸いだった。社員には、Webライターの仕事をしてもらうなどし、解雇することなくなんとか通常時の給与の半額程度を支払い続けているというが、自身の給与は「ゼロ」。
家族を養っていく必要があるため、知人が店長を務める店に頼んで人生で初めて「コンビニバイト」を始めたという。
「大学時代もクラブスタッフのアルバイトでしたので、仕事に全く慣れません。時給は1000円です。子どもよりも年下の大学生に怒鳴られながら、最近やっと品出しができるようになりました。レジの使い方がいまだにわからず、最近はPayPayとかSuicaとか、いろんな支払い方法があるからよくわからなくて。
いまの私の心の拠り所は、パートのおばさん。控え室にいると、コーヒーを淹れてくれたり、みかんくれたり。自分の会社では部下に対して『なぜできないんだ』と叱る立場でしたが、これからは優しくしようと思いました」(同)
コロナで仕事が激減、コンビニでアルバイトを始めた
部下を叱る立場から一転「子どもより年下の大学生に怒鳴られる」
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