アパレル業界のカリスマ、コーヒー専門店を「京都の古民家」で開業した理由
渋谷109MEN’Sで圧倒的な人気を誇ったファッションブランド「VANQUISH」をリリースし、“お兄系ブーム”を牽引した石川涼氏。その後もInstagramによるマーケティングを先駆けておこない、「#FR2」を急成長させるなどアパレル業界に革命を起こし続けてきた。
そんな石川氏が近年、目を向け続けてきたのが海外だった。特に東南アジアのポテンシャルに魅了され、さまざまな挑戦を模索してきたという。しかし、そんなプランもコロナ禍で白紙となり、別の展開を考えざるをえなくなった。
業界を枠に収まらないアパレル業界のカリスマが見据えるこれからのビジネス戦略とは? 2022年6月には京都の古民家でコーヒー専門店「兎珈琲」を開業させるなど、新たな事業にも着手した石川氏に聞いた。
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「ずっと外国人にどうやって売っていくかを突き詰めてビジネスを設計してきました。日本人に売っていくことはもう10年以上、想定してこなかったんです。#FR2も最初はどこの国のブランドかも把握されずに海外の人から注目してもらい、そんな盛り上がりを見て、国内からも注文が殺到するような流れでしたね」
石川氏が本格的に海外展開にシフトし始めたのは2010年。その理由はマーケットの大きさだけではなかった。
「スマホが普及しはじめて、みんなが同じ端末で同じものを見えるようになったことを肌で感じて、グローバルで自分たちのポジションをとっていかないと生き残れないって、ずっと考えてきました。デザインから仕掛け方まで国内向けとはまったく違ってきます。
たとえば、今でこそいろんなブランドがやっていますが、日本語のプリントや漢字を用いたデザインなどは、僕らが始めた当初はまだ珍しかったのでとてもウケましたね」
こうして国外での挑戦を続けてきた石川氏だったが、ここでもアパレル業界の常識とは一線を画すことになる。
「アパレル業界の人は欧米主義というかニューヨークやパリ、ロンドンで認められたいって考えているんですが、僕はまったく違います。
それよりもアジアで勝負がしたくて、『フィリピンで一番のブランドになる』とか『マレーシアで最高の売り上げを記録する』とかのほうがよっぽど魅力的。今までそういう展開をするブランドはなかったので、僕たちはそこを目指そうと考えていました」
「外国人に買ってもらう」を意識してビジネスを設計
ニューヨークやパリではなく、東南アジアで勝負
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