ダイソーとローソンストア100の商品で作るメイドカフェ風オムライスの切なさ
いまや衣食住にまつわる商品がなんでもそろう「100円ショップ」。安かろう悪かろうと言われていたのは昔の話だ。
ある日、急にオムライスが食べたくなった。ただのオムライスではなく、メイドカフェ風オムライスである。が、メイドカフェで食べると高く付いてしまうので、100円ショップで必要な道具と食材を買い揃えて自分で作ってみることにした。
まずは「ダイソー」で「レンジで簡単オムライス」というオムライス調理器を購入。卵、ご飯、具材をセットしてレンジでチンするだけで簡単にオムライスができるという便利アイテムだ。価格は110円(税込)である。
食材は「ローソンストア100」で買うことにした。冷凍チキンライス、レトルトのデミグラスなカレー、6個入り生卵、それにケチャップ。これで432円(税込)。ダイソーでの買いものと合わせると合計542円である。
泊まっているゲストハウスに戻り、早速、共有のキッチンで調理を開始した。オムライス調理器は卵用とご飯用の2つの容器に分かれている。まずは卵用の容器に卵1個と油を溶き合わせたものを入れる。
それから冷凍チキンライスをフライパンで軽く炒めてご飯用の容器に入れた。オムライス調理器の袋に書かれているレシピには、チキンライスではなく、ご飯、具材、ケチャップ、塩コショウを入れるとある。が、1人分のオムライスを作る手間とコスパを考えれば、冷凍チキンライスを使ったほうがいいだろう。
卵用の容器を下にして2つの容器をカチッと重ね合わせた。すると、卵が2つの容器の間で薄く伸ばされる。これをレンジで加熱する。さあ、これで果たしてメイドカフェのようなオムライスができるのか……。
僕はかつて秋葉原の某メイドカフェに足繁く通っていた時期があった。その店をはじめて訪れたとき、僕についたのはあみ(仮名)というメイドだった。
「私、ここで働きはじめてまだ3日目なんです」
ショートカットの小柄な子で、顔にはまだ少しあどけなさが残っていた。メイドは本名や年齢などの個人情報は絶対に明かしてはならないという鉄の掟があるのだが、彼女はまだ高校生くらいにも見えた。
あみは僕のすぐ近くに立って洗濯が趣味だとかいうことなどについてとりとめもなく話し続けた。そして気が付くと、もう1時間近くも経っていた。大丈夫なのか……と思った。メイドはひとりの客にずっと付きっきりになることは禁じられているはずである。
しばらくして別のメイドがあみのところにやってきて、僕に聞こえないよう小声でヒソヒソと耳打ちする。あみは僕のほうに顔を向け、
「ごめんなさい。またあとで」
そう言って離れていった。まだ働きはじめたばかりだからなのだろう、彼女はメイドカフェの基本的なルールもわかっていなかったようである。
「ダイソー」と「ローソンストア100」のアイテムでメイドカフェ風オムライスに挑戦
メイドカフェに通っていたあの頃
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バイオレンスものや歴史ものの小説を書いてます。詳しくはTwitterのアカウント@kobayashiteijiで。趣味でYouTuberもやってます。YouTubeチャンネル「ていじの世界散歩」。100均グッズ研究家。
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