筆者は、東京都内のゲストハウスを転々としながら、日雇い派遣の仕事を中心に、まったくお金にもならない小説を書くという生活を続けている。当然、生活費を抑える必要がある。そんななかで衣食住にまつわるグッズが低価格でそろう「100円ショップ」は欠かせないものだ。 　玩具の品揃えが非常に充実している100円ショップの「ダイソー」にオフロードラジオコントロールカー（税込550円）という新商品が登場していた。長い商品名を付けられているが、要するにラジコンである。他のところだとラジコンは安くても数千円はするので、これはかなりお値打ちだ。 　単3乾電池を5個使用とのことなので、同店で5個セットの単3乾電池（税込110円）も併せて購入。早速、近くの公園で走らせてみることにした。 　しかし、箱からラジコンを取り出して裏返すと、ああ、またか……と舌打ちしてしまった。乾電池を入れる箇所のふたがプラスのネジで締められているので、プラスドライバーがなければ乾電池を入れられないのである。 　以前にもダイソーの乾電池で動く玩具で遊ぼうとしたときにプラスドライバーが必要で、そのためだけに購入したことがあった。が、もう使うことはないだろうと思ってすぐに捨ててしまっていた。 　どうして乾電池を入れる箇所のふたをネジで強固に締める必要があるのか。ワンプッシュでカチッと簡単に閉まるふたで十分ではないか。どうしてもネジを締めなければ気が済まないのであれば、せめてプラスドライバーが必要である旨を箱の表面に大きく記載しておいてほしい。 　この商品の開発者はプラスドライバーくらいみんなふつうに持っているだろうと思っているのかもしれないが、それは間違いだ。おじさんのバッグには名刺、デオドラントスプレー、ラーメン屋のトッピング無料券……などは入っていても、プラスドライバーなんて入っていないのである。 　仕方ないのでダイソーにぴゅーッと引き返してプラスドライバーを購入した。ひどく手間取ってしまったが、これでようやくラジコンを走らせることができる。