仕事

今年の新入社員に「モンスターはいない」。コロナ禍が転じて

「モンスター」が秘める大きな可能性

初心者 我々とネットネイティブ世代との意識や価値観の違いが取り沙汰されることも多いが、神奈川県内の証券会社勤務・坂本佳彦さん(仮名・40代)は、「モンスター」とも呼ばれてしまう新人たちとのやりとりを経験し、大きな可能性を感じている。 「ネット上で匿名同士のコミュニケーションが当たり前という世代には、ハナから敬語を使う必要がない、と感じている若者もいます。一応、社会のルールに合わせて敬語を使おうという子もいますが、敬語を過度に使ったりして、うまく表現ができない。会話の端々にタメ語が出てくるようになるのですが、それを認めてあげると、驚くほどコミュニケーション能力が高いんです」(坂本さん)

上司に逆えず顔色ばかりうかがう先輩たちを見て…

 坂本さんは、今の若者たちの人間関係が「フラット」であることを見抜いたという。 「以前は帰国子女が生意気だ、なんて風潮がありましたが、あれと同じですね。意見をしっかり言う子が多くなりました。逆に発言できない、上司に逆らえず顔色ばかりうかがうのは、30代以降の我々だけ。若者から見ると、とてもみっともなく映るのでしょう。  彼らをモンスターだと笑い、溜飲を下げていたのでしょうが、若い人たちは気にしていない、そもそも我々なんか眼中にない。むしろ、我々のほうが彼らに教えてもらうべきことがたくさんある」(同) 「モンスター」と聞けば、得体の知れない怖いもの、というイメージもあろう。同時にそれが「巨大」であると感じていないか。  裏を返せば、得体の知れない新入社員たちが今後、会社の中枢を担うことを想像し、その大きな流れを拒否したいからこそ、彼らの言動を笑ってきた。  だが、そんな非生産的な時代はもう終わったのではないか。「モンスター新人はいない」と話す人々の実情が、それを力強く物語っているように思えてならない。 <取材・文/森原ドンタコス>
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