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SKE48高柳明音がまっとうしてみせた”アイドル”という存在

 卒業発表から実に488日――。  発表から実際に卒業するまでの期間が48グループ史上最長となったSKE48の高柳明音が、4月10日に卒業コンサート、4月27日に劇場での卒業公演を開催。  約12年のアイドル活動の歴史が幕を閉じたのだった。

昨年3月に予定されていた卒コンが延期に

SKE48高柳明音 コロナ禍で昨年3月に予定されていた卒コンが延期となり、いつになったら開催できるのか不明なまま、約1年半が経過。  それでもなお、絶対にファンの前で卒業したい。彼女がそう望んだのは、48グループが常に現場のファンたちと歴史を積み重ねてきたからだ。 「自分のことを特別な存在だとは思っていなくて、頑張らなきゃ特別な人には届かない。ただの一人の女のコだった私が夢を見させてもらえSKE48に、一緒に夢を見てくれたメンバーとファンのみなさんに本当に感謝しています」 SKE48高柳明音 卒業公演でこう語ったように、いわゆる“普通のコ”が集まって愛知県名古屋市の栄にある劇場を中心に活動してきたSKE48。握手会でリアルなコミュニケーションを重ね、選抜総選挙ではファンたちが懐を痛めてでも支えてくれた13年間を過ごしてきた。  それだけに、卒業コンサートと卒業公演をリモートでやるという決断はできなかったのだ。

高柳明音のために集結した3500人

 4月10日の卒コン会場に集まったファンたちも、声を出せない分、大きな手拍子やペンライトの光でライブを待望んでいた気持ちを思う存分、表現した。 SKE48高柳明音 開演前の影アナでは、イベントのタイトル「私の兆し、皆の兆し~あかねまちゅりだ!~」にも使われた、かつての自己紹介フレーズである「あ〜かねまちゅりだ、ちゅりっ、ちゅり!」という言葉に合わせて、大きな手拍子がパパン!パパン!と日本ガイシホール中に響き渡った。 「あ〜かねまちゅりだ」と聞けば、思わず手が動いてしまう訓練された猛者のみで会場が埋まっていた。約3500人と高柳の心が通じ合った瞬間だった。 SKE48高柳明音 その3500人の中には、12年間追い続けた者、途中から応援し始めた者、あるいは過去に現場通いしていたが現在は遠ざかっている者まで、さまざまな境遇のファンたちがいたことだろう。  最寄り駅の改札で、推しTシャツに身を包んだ二人の男性が「おおーやっぱりいましたか!」「もちろんですよ、お久しぶりです。今日は来るしかないですよね」と挨拶しあっている光景を目にした。  古参同士が久しぶりに現場で再会したのだろうか、あるいはコロナ禍で遠ざかっていた現場仲間の再開か。いずれにせよ、配信ライブでは味わえない現場の絆が、会場のいたるところで再確認されていたはずだ。
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卒業コンサートがもたらした“兆し”
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