ライフ

テントは「ダイソー」1100円で十分、お庭でソロキャンプのススメ

テントを張ればそこがキャンプ場だ

 まずはご飯から食べてみた。少し硬い。炊く前に水に浸す時間が少し短かったせいかもしれない。これは次回への反省点にしよう。ベーコンはそれ自身から溢れ出した油で艶かしく光っている。これをとろりとした黄身に絡ませ、ご飯といっしょに口に運ぶ。舌の上で三者が一体となって絶妙な味のハーモニーを奏でる。それを安い缶チューハイでグビリと喉に流し込んだ。
キャンプメシ

キャンプメシは最高に美味い

 安いメシに安い酒。それでもただキャンプで自炊して食べているというだけで魔法でもかけられたかのように何倍も美味しくなってしまう。ここが実家の庭だなんてことは関係ない。テントを張ってしまえばそこはもう立派なキャンプ場だ。大自然の真っ只中なのだ。実際にはこの庭のすぐ隣に墓場があるのだが、そんなこともどうでもいいのである。

コロナ禍でも工夫次第で楽しめる

 食事を終え、ほろ酔いでテントに横になった。そしてグラスキャンドルの炎をじっと見つめる。ふわふわと波間にたゆたうかのような幸福感。日が暮れていくのにつれてキャンドルの炎はその煌めきを強くしていく。  これからの暑くなる季節は夜にここで鈴虫の声を聞きながら晩酌をするのもいいかもしれない。ミニ鉄板も肉を焼くのには小さすぎるが、ちょっとした酒のあてを焼くのにはちょうどいいだろう。こんなコロナ禍の中でもちょっとの工夫でいくらでもキャンプ気分は味わえるのである。<取材・文/小林ていじ>
バイオレンスものや歴史ものの小説を書いてます。詳しくはTwitterのアカウント@kobayashiteijiで。趣味でYouTuberもやってます。YouTubeチャンネル「ていじの世界散歩」。100均グッズ研究家。
1
2
おすすめ記事