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中川会長の自粛破りによって批判の矛先は日本医師会へ

 自粛、自粛、自粛と、口をすっぱく国民に要請してきた日本医師会の中川俊男会長は、身を呈し、自粛の難しさを教えてくれたのだろうか。

中川会長の自粛破りによって批判の矛先は日本医師会へ

中川俊男

「これほどのスキャンダルが噴出すれば、辞めるのが当然でしょう。中川会長によって、医師会の評価が大きく変わってしまう」(上氏)写真/時事通信社

 医師会お抱えの政治家が開いた100人規模の政治資金パーティ参加に続いて、今度は医師会関連組織の女性研究員との親密寿司デートが週刊誌に報じられた。これまで国民に対して上から目線で自粛を強いてきた中川氏自らが、言ってることとやってることが違う「Wスタンダード」の自粛破り……。  菅義偉首相が半ばヤケクソで「ワクチン一日100万回接種」の目標を掲げるなか、再び政府のコロナ対策に批判の声が巻き起こるのも当然だ。医療ガバナンス研究所の上昌広氏はこう話す。 「ワクチン接種が遅々として進まない最大の要因は打ち手不足。だから政府は、接種の担い手として新たに歯科医を加えようとしていたのに、それを最後まで阻止していたのが中川会長です。医師の独占業務が脅かされるわけですから、来年の会長選を見据えれば、認められなかったのでしょう」  昨年、政府がPCR検査を増やすため、鼻腔・咽頭ぬぐい液の採取を歯科医師にもできるよう要請したときも、医師会は厚労省とタッグを組んで猛反発している。 「PCRのときも早い段階で検査を拡大していたら、保健所では対応しきれなかったので、民間にも委ねるという流れになっていたはず。現在は、医師会に所属していないとワクチンをもらえないという批判もあがっています。厚労省が配布を自治体に丸投げし、一部の自治体では医師会がワクチンを管理しているので、結果的に医師会所属の開業医から優先的に配られている」  コロナ患者を受け入れ、疲弊している病院も多いが、「中川会長は医療報酬の引き上げもせず、逆に足を引っ張ってきました。本来、医師会は志ある開業医を応援してしかるべきです」  疲れ切った国民からの“自粛”要請に、今度は中川氏が耳を傾ける番だ。

「今回を最後と心得て、対応策を示してほしい」

 日本医師会の中川俊男会長は5月26日の定例記者会見で、緊急事態宣言の延長について、「医療提供体制のひっ迫度を鑑みれば、同意しますが、国民は度重なる延長に疲れ切っています。今回を最後と心得て、政府は具体的な対応策を示していただきたい」と述べた。  東京五輪には「アドバイスはしていく。最終的な判断は政府」との見方を示した。 <取材・文/週刊SPA!編集部> ※週刊SPA!6月1日発売号より
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表紙の人/ 波瑠

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