更新日:2015年03月18日 13:25
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放射性物質の吸収を控え、排泄を促す方法

 原発事故で、大量の放射性物質がばらまかれた。気をつけても、知らず知らずのうちに体内に取り込んでしまう。そんな“1億総被曝時代”を生きるには、どんな食生活を送ればよいのだろうか? ⇒放射性物質に負けない食事の基本【前編】はコチラ https://nikkan-spa.jp/175946 ◆セシウムより危険で排泄しにくいストロンチウム 「放射能に負けない食事」のもう一つの柱は、放射性物質の吸収を抑え、排泄を促すことだ。 「半減期が約30年と言われているセシウム137は筋肉や心臓などに蓄積されやすい。カラダに入ると約10%が2日間で、約90%が3~4か月かかって体外に排出されます。この間、セシウムはガンマ線とベータ線を出し続けます」(富永国比古医師)  現在、放射能汚染の測定の主眼は、大量にばらまかれ、測定のしやすいセシウムに置かれている。 「エネルギー量がケタ違いに多く、危険性はセシウムの300倍」との指摘もあるストロンチウム90に関しては、測定の難しさからまだ汚染状況がつかめていない。 「ストロンチウムは体内に入ったうち30%が血中に残り、70%は排出されます。血中に取り込まれたうちの30%は骨にたまります。骨に蓄積されたうち、30日後に8%が減少。1年後でも4%が残留します。セシウムよりも排出されにくいという特徴があります」(同)  では、どうすればセシウム・ストロンチウムの吸収を避け、効率よく排出することができるのか。 「セシウムの吸収を阻害するカリウムを多く含む、ニンジンジュース、バナナ、納豆、海藻類などを食べるといいでしょう。また、リンゴや柑橘類に含まれるペクチンも効果があるようです。ベラルーシの研究者たちが『チェルノブイリで汚染された地域の住民の食物にペクチンを加えた食品を摂取することで、蓄積されたセシウム137の効果的な排出が促進される』という研究成果を報告しています。  骨肉腫や白血病を引き起こす恐れのあるストロンチウムは、カルシウムと似た性質を持っています。カルシウムだと思って体が吸収してしまうのを防ぐため、カルシウムを多く含んだヒジキ、切り干し大根、小松菜などを食べておきましょう。海藻のぬめり成分フコイダン、水溶性食物繊維のアルギン酸を含む海藻もおすすめです。  また、排泄には腸の役割が重要となります。便秘になると、放射性物質を体内に留める時間が長くなってしまいます。ナトリウム、亜鉛などの有用なミネラル類を摂って排泄を促すとよいでしょう」(同)  富永医師は最後にこう語った。 「効果があると言われている食べ物を偏食するのではなく、いろいろ試してみる。相乗効果として発がんリスクは減っていくでしょう」 【主な放射性物質の生物学的半減期】 ※生物学的半減期が年齢によって異なり、文献によっても異なる。値は参考値 物質名:セシウム137 物理学的半減期:30年 生物学的半減期:70~100日 ベータ線、ガンマ線を放出。カリウムなど人体に必要な栄養素と似た挙動をとるため、体内に取り込まれやすい。体内に入ったうちの10%は2日間で体外へ、90%は約100日で排出される 物質名:ストロンチウム90 物理学的半減期:29年 生物学的半減期:50年 ベータ線を放出。体内に入ったうち30%が血中に残り、70%は排出される。血中に取り込まれたうちの30%は骨にたまる。骨に蓄積されたうち、30日後に8%が減少。1年後でも4%が残留する 物質名:ヨウ素131 物理学的半減期:8日 生物学的半減期:80日 ベータ線、ガンマ線を放出。体内に入ると甲状腺などに集まり、甲状腺がんの原因となる。幼児の場合の生物学的半減期は早く、平均11日。年齢が高くなるほど排出に時間がかかり、成人は約80日 物質名:プルトニウム239 物理学的半減期:2万4000年 生物学的半減期:20~50年 アルファ線を放出。吸入によって肺に沈着したり、肝臓や骨に蓄積されたりする。骨に取り込んだ場合は50年、肝臓ならば20年で排出される。生殖腺の場合はさらに長いと考えられている 物質名:セシウム134 物理学的半減期:2年 生物学的半減期:100~200日 ベータ線、ガンマ線を放出。カリウムと似た挙動をとるため体内に取り込まれやすく、体内に入ると全身に分布する。セシウム137と同じく10%はすぐ排出されるが、残りの90%は100日以上滞留する 【富永国比古氏】 福島県浅川町出身。郡山市の婦人科・心療内科「ロマリンダクリニック」院長。「放射性物質から身を守る食事法」を説き続けている。著書に『放射性物質から身を守る食事法』(河出書房新社)など ― 内部被爆に負けないカラダのつくり方【2】 ―
放射性物質から身を守る食事法

福島県浅川町出身富永国比古氏からのアドバイス!

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