更新日:2021年07月17日 19:26
エンタメ

<純烈物語>「感覚的には管だらけの状態で助けてもらっている」リーダー酒井が漏らした明治座初日<第105回>

観劇したスーパー・ササダンゴ・マシンも感激

 10日にはスーパー・ササダンゴ・マシンが訪れた。新潟在住の彼は前日に東京でプロレス方面の記者会見に出席。1泊してでもこの公演は見たかったという。  コロナの影響がなければ昨年5月、純烈は明治座の舞台を踏んでいた。その脚本をササダンゴは依頼されていたのだ。  この時のアイデアの一部は本業であるプロレスイベント「まっする」で生かされたものの、やはり明治座で自分の作品を披露したかったはず。ましてや演出が純烈ライブの演出を担当する双数姉妹・小池竹見や「マッスル」の鶴見亜門こと今林久弥の戦友的存在の村上大樹とあれば、居ても立ってもいられなかった。 「作り手も見る側も全部がハッピーになれる空間。それをあれほど大掛かりなセットで純烈もやれるまでになったという感慨がありました。お芝居も歌謡ショーも本当に楽しくて、この時代にちゃんと来た人を満足させられるなんて、これ以上のものはないじゃないですか。いやー、本当によかった」  第1部終了時点で興奮気味だったササダンゴは休憩時間中も思いのたけを語りまくり、第2部もコロッケのパフォーマンスを含め大満足した様子で、自ら運転する車で新潟へ戻っていった。クリエイターに必要なのは、創作意欲をかき立てる存在と作品なのだ。  多くの報道陣が集まった初日の終演後には、プレス向け会見の場が持たれた。4人に加え、第1部に出演する星野真里、曽我廼家寛太郎、磯野貴理子が登壇。それぞれの間にはアクリル板が立てられている。 「初日ですけれども、とにかく舞台が無事に開けられたことに対しものすごくホッとしています。稽古場からこちらへ入る時に全員PCR検査をやって、全員が陰性だということで、そこでまず大きな拍手が起こったというぐらいで。  演者の皆さんの目から下の姿を見たのは、稽古場では一回もないんです。マスクつけて稽古をやっているから(ゲネプロで)劇場に入って初めて皆さんの口元を見てお芝居したので、最初はみんなの口ばかり見ていました」

感極まった白川に飛んだ質問

 初日を終えての感想を振られる中、小田井涼平の言葉は演劇をとりまく現状を表していた。また白川には第2部の最後、感極まったことについて質問が飛んだ。 「無事にこうして初日を迎えることができて、僕たち自身もホッとしていますし、初めての座長公演ということでこれも純烈の一つの夢でもありましたので、本当に夢がかなって……ありがたかったです」  ステージ上で締めの挨拶を振られたさい、言葉の最後が崩れるようになった白川は、ラストの『ジグザグ』の最中も一瞬、声を詰まらせた。千穐楽に完走して涙を流すよりも先に、気持ちが高ぶった初日。その思いが何から来たのか聞かれるも「皆さん、一生懸命やられていて無事に初日を迎えられてよかったなというのと……まあいろいろですよ、いろいろ」と、深い言及はしなかった。 「客席を見たら感極まる笑顔があったり、これまでの道のりだったり、あいつにとってもお芝居でも歌でも明治座のセンターでこういうことが起こるとは、4人になった時は思っていなかったと思うんですよ。やっぱり歌うってプレッシャーあるし、稽古も休みなくやってきて初日を乗り越えた安堵感と、あとはここまでの道のりを瞬間的に振り返ったんだと思います。  俺は初日、まだ涙も出せない状況なので泣いてくれてありがとう、歌っている時に客席がざわついて泣いたのがわかった時に、ナイス!と思いました。あれも白川らしかったよね」
次のページ
同じ場所。”あの頃”から2年が経った
1
2
3
(すずきけん)――’66年、東京都葛飾区亀有出身。’88年9月~’09年9月までアルバイト時代から数え21年間、ベースボール・マガジン社に在籍し『週刊プロレス』編集次長及び同誌携帯サイト『週刊プロレスmobile』編集長を務める。退社後はフリー編集ライターとしてプロレスに限らず音楽、演劇、映画などで執筆。50団体以上のプロレス中継の実況・解説をする。酒井一圭とはマッスルのテレビ中継解説を務めたことから知り合い、マッスル休止後も出演舞台のレビューを執筆。今回のマッスル再開時にもコラムを寄稿している。Twitter@yaroutxtfacebook「Kensuzukitxt」 blog「KEN筆.txt」。著書『白と黒とハッピー~純烈物語』『純烈物語 20-21』が発売

純烈物語 20-21

「濃厚接触アイドル解散の危機!?」エンタメ界を揺るがしている「コロナ禍」。20年末、3年連続3度目の紅白歌合戦出場を果たした、スーパー銭湯アイドル「純烈」はいかにコロナと戦い、それを乗り越えてきたのか。

白と黒とハッピー~純烈物語

なぜ純烈は復活できたのか?波乱万丈、結成から2度目の紅白まで。今こそ明かされる「純烈物語」。

記事一覧へ
純烈パンフ
〔INFOMATION〕当連載執筆者・鈴木健.txtが「明治座7月純烈公演」プログラムにコラム「純烈×明治座、色気の共演。ハッピーは連鎖する――」を3ページに渡り寄稿。「Online明治座横丁」サイトにて通信販売もおこなっていますので、ぜひご購入の上ご一読ください。純烈の公演用写真も満載のプログラムは、オールカラー44ページ/1500円で販売。https://yokocho.meijiza.co.jp/products/detail/122
おすすめ記事
ハッシュタグ