更新日:2021年07月17日 19:26
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<純烈物語>「感覚的には管だらけの状態で助けてもらっている」リーダー酒井が漏らした明治座初日<第105回>

同じ場所。”あの頃”から2年が経った

 盟友の胸の内を、自分なりの解釈で代弁した酒井。明治座で座長を務めるなど想像さえしていなかった、いくつかの“あの頃”から4人になったタイミングを切り取ったあたりに、白川の心情を読み取ってくださいと言われた気がする。  2019年の前川清50周年公演では座長用の部屋があった。だが今回、純烈はそこを使わず2年前と同じ楽屋に入った。それは今後、仮に明治座出演が続くとしても変えるつもりはないと言い切る。  初座長公演でありながら一座全体を仕切るような姿勢は採らず、脚本をはじめとして任せる、世話になるスタンス。それを純烈は……もっと言うなら酒井が選んだ。  純烈に関しては監督総指揮であり続けてきただけに、その選択は意外に映るだろう。座長となったからこそ、プロデューサーとしての力をより発揮できるはずなのに。思い当たるのは、会見の冒頭で酒井が言ったこの言葉だ。 「無事にまず1日目終わったなとそれだけで、また明日の準備をせなあかんみたいなギリギリ間に合ったというか、そういう個人的な実感で。僕的には純烈結成以来最大の試練みたいなところがあって、出遅れて。追いつけ追いつけで、稽古もどうすんねんみたいな感じだったので」  額面通りに受け取ると、酒井個人が何かによって時間を取られ、稽古もままならぬ状況にあったことがうかがえる。初日の公演とすべてのメディア対応を終えたところで、ステージ衣装から着替える間もなく単独取材に応じた時も、こちらから振る前に自身をとりまく現状について言葉を選びつつ語り始めた。 「今回ほど周りにお願いして助けてもらったことはなかった。普段は俯瞰で見て、ああやったりこうやったりっていう作業をするんだけど、それができる状況じゃなくなって、演出とかメンバーとか会社とか明治座さんとかいろんな人の協力によってこの初日が成立したんです。  感覚的には管(くだ)だらけの状態で助けてもらっている。それぐらいみんなの協力のもと今回の自分は成立しているので、手応えとか座長としてとかはまったくなんにもない。とにかく今日は、無事にみんなのおかげで終えられました」  具体的なことはしかるべきタイミングが来たら話しますと前置きした上で、酒井は初日を迎えた時点での状況を説明。おそらく千穐楽を終えるまでは、明かせない事情があるのだろう。  こうした内なる闘いを表に出すことなく人々を楽しませた17日間も、この回がアップされた翌日に最終日を迎える。最後に待ち受けているドラマはいったい――。 撮影/ヤナガワゴーッ!
(すずきけん)――’66年、東京都葛飾区亀有出身。’88年9月~’09年9月までアルバイト時代から数え21年間、ベースボール・マガジン社に在籍し『週刊プロレス』編集次長及び同誌携帯サイト『週刊プロレスmobile』編集長を務める。退社後はフリー編集ライターとしてプロレスに限らず音楽、演劇、映画などで執筆。50団体以上のプロレス中継の実況・解説をする。酒井一圭とはマッスルのテレビ中継解説を務めたことから知り合い、マッスル休止後も出演舞台のレビューを執筆。今回のマッスル再開時にもコラムを寄稿している。Twitter@yaroutxtfacebook「Kensuzukitxt」 blog「KEN筆.txt」。著書『白と黒とハッピー~純烈物語』『純烈物語 20-21』が発売

純烈物語 20-21

「濃厚接触アイドル解散の危機!?」エンタメ界を揺るがしている「コロナ禍」。20年末、3年連続3度目の紅白歌合戦出場を果たした、スーパー銭湯アイドル「純烈」はいかにコロナと戦い、それを乗り越えてきたのか。

白と黒とハッピー~純烈物語

なぜ純烈は復活できたのか?波乱万丈、結成から2度目の紅白まで。今こそ明かされる「純烈物語」。
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純烈パンフ
〔INFOMATION〕当連載執筆者・鈴木健.txtが「明治座7月純烈公演」プログラムにコラム「純烈×明治座、色気の共演。ハッピーは連鎖する――」を3ページに渡り寄稿。「Online明治座横丁」サイトにて通信販売もおこなっていますので、ぜひご購入の上ご一読ください。純烈の公演用写真も満載のプログラムは、オールカラー44ページ/1500円で販売。https://yokocho.meijiza.co.jp/products/detail/122
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