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自民党の総裁を決める「派閥」とは何か/倉山満の政局速報

領袖全員が総理大臣になった五大派閥「三角大福中」

 1970年代、「三角大福中」と言われる五大派閥がしのぎを削り、三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫、中曽根康弘は全員が総理大臣になりました。三角大福の4人はあまりに派閥抗争が激しすぎて2年で引きずりおろされるので、「歌手1年、総理2年の使い捨て」とおちょくられました。 自民党 ちなみに、それを言った竹下登は後に1年半で退陣。口は禍の元です。  この頃の五大派閥の領袖は、全員がオーナー経営者です。三木武夫は八個師団どころか、初当選が戦前の代議士で、世渡りがあまりにえげつなく弱小派閥なのに大派閥を振り回す様から「バルカン政治家」の異名。  田中角栄と大平正芳は、派閥をクーデターで乗っ取りました。  福田赳夫と中曽根康弘は、属していた派閥が分裂したので、自力で金を集め、子分を集め、手下を国会議員に当選させて、派閥を作りました。こういう連中なので、80年代まで生き残り、亡霊のように老害ぶりをさらしましたが……。

90年代以降の派閥の領袖は「サラリーマン社長」

 その反動で、90年代以降の派閥の領袖は、皆が二代目か三代目。言うなれば「サラリーマン社長」です。サラリーマンが一番嫌う人種。そして今に至る。  と、「派閥」とは何なのかがわかったところで、現在の「派閥の液状化」について、次回。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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