更新日:2021年11月26日 18:20
エンタメ

ストロングゼロは酒ではない…人生だ。愛深き僕の前に立ちふさがった3人の侍たち

突如、送られてきた1000本のストロングゼロ

すとぜろ

イカれた量のストロングゼロで床が抜けそうになった

 あまりにもストロングゼロが好きすぎる僕を喜ばせようと、友人一同がお金を出し合い、サプライズで1000本のストロングゼロを贈ってくれたことがあった。配達業者の人が酒屋でも始めるンすか、とか言っていたのが印象的だった。  ストロングゼロ1000本だ。こりゃ一生かかっても飲みきれないぞと、そら恐ろしくなったけど、なんてことはない1年も持たずにぜんぶ飲みきってしまった。いまはサプライズ第2弾が贈られてこないかなと切望する毎日だ。  ストロングゼロは2020年に大幅なリニューアルが実施された。シルバーを基調としたデザインから白を中心としたデザインに一新し、味のほうも大幅にリニューアルされたのだ。もともとありえないレベルの美味であると考えていたけど、このリニューアルによりさらに味わいが向上し、もはや神の領域に手がかかるところまできていた。神殺し、ストロングゼロである。  ただし、こういったリニューアルは必ずしも喜ばれることではない。頭の固い古参気質な人などはことあるごとに変化を嫌い、前のほうが良かった、みたいなことを言い出すことがある。そういった不満の声は積極的にクレームとして表出するが、称賛の声はなかなか届かない。  それでSUNTORYの人が委縮してはいけない。そう考えた僕はリニューアルされたストロングゼロを飲んだ直後にサントリーに電話したことがある。お客様センターみたいなところだ。普段はクレームなどがガンガン届いているであろう場所だ。

興奮のあまりサントリーの人に電話してしまった僕

「マジで、リニューアルしたストロングゼロ最高でした。なんていうか前の状態でも最高だったのにそれ以上を目指すって半端ないと思いました。感動しました。もうストロングゼロはお酒ではないですよ、人生ですよ」  僕も興奮しすぎていて微妙に何を言っているのかわからない。 「ありがとうございます」  オペレーターの人も半笑いだった。 「あと、どうしても今回のリニューアルに際して味を研究した人にお伝えいただけたらと思うんですけどいいですか。はい。『また神殺しに一歩近づきましたね』そうお伝えください」  完全に頭がおかしい客だ。これならクレーム電話のほうがまだマシかもしれない。  さて、そんなストロングゼロを心から愛する僕だが、もちろん、愛しているのは僕だけではない。ストロングゼロの売り上げは右肩あがりに伸びており、2010年から2020年にかけて約6倍という驚異的な伸びを見せている。つまり、多くの人に愛されているのである。
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休業前セールという最大のチャンスが巡ってきた
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テキストサイト管理人。初代管理サイト「Numeri」で発表した悪質業者や援助交際女子高生と対峙する「対決シリーズ」が話題となり、以降さまざまな媒体に寄稿。発表する記事のほとんどで伝説的バズを生み出す。本連載と同名の処女作「おっさんは二度死ぬ」(扶桑社刊)が発売中。3月28日に、自身の文章術を綴った「文章で伝えるときにいちばん大切なものは、感情である 読みたくなる文章の書き方29の掟(アスコム)」が発売。twitter(@pato_numeri

pato「おっさんは二度死ぬ」

“全てのおっさんは、いつか二度死ぬ。それは避けようのないことだ"――


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