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三越伊勢丹6年3ヵ月、高島屋は…コロナ後の“百貨店の寿命”をガチ試算

百貨店の寿命を具体的に教えます

 では、1回目の緊急事態宣言の際、百貨店はどれほど業績が落ち込んだのでしょうか。  2020年12月に筆者が試算した際は、百貨店の業績について、売上と総利益はコロナ以前の7割と設定しました。また、コストに該当する販管費は8割程度。この数値と、最新の中間決算の現金預金を用いることで、2021年のいま、あとどのくらいで現金預金が枯渇するかを計算してみました。 百貨店 百貨店の余命、結論は下記です。まずは、昨年の12月時点での寿命予測。 【2020年12月の百貨店寿命】 ・三越伊勢丹 2年4ヵ月 ・高島屋 14年2ヵ月 ・Jフロントリテイリング 黒字(不老不死) ・エイチ・ツー・オー リテイリング 1年7ヵ月  続いて、現在。 百貨店【2021年3月期の百貨店寿命】 ・三越伊勢丹 6年3ヵ月 ・高島屋 20年 ・Jフロントリテイリング 48年9ヵ月 ・エイチ・ツー・オーリテイリング 6年4ヵ月

1、2年先の破綻はない

 結論から言えば、最新の試算のほうが各百貨店の寿命が伸びていることがわかります。例えば、三越伊勢丹は、月に16億円の赤字を予想していましたが、現在は11.8億円の赤字に抑えています。エイチ・ツー・オー リテイリングは月に14億を予想していましたが、こちらも6.8億円に抑えています。  百貨店はこの先1~2年以内に破綻することはないというのが筆者の結論です。むしろ、この厳しい環境下の中で、経営状況が改善しています。  たとえば、三越伊勢丹は11月10日の決算発表で、通期の純利益を従来予想の10億円の黒字から30億円の黒字(前期は410億円の赤字)に3倍上方修正しています。
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三越伊勢丹は販管費をどう抑えたのか?
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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