パルコが地方都市から次々と撤退。“若者の消費”を支えたバブル期から40年
パルコが相次いで地方都市から撤退しています。2019年5月31日に宇都宮、2020年2月29日に熊本、2023年2月28日に津田沼の店舗を閉鎖しました。2024年2月29日には新所沢、2025年2月に松本からの撤退を計画しています。
パルコが撤退する要因は大きく2つあります。1つは集客に苦戦していること。もう1つは建物の老朽化が進み、大規模な修繕費の捻出が困難なことです。コミュニティ型のパルコは地方都市の集客装置として機能し、その場所を中心として周辺の施設や店舗の消費が促進されていました。地方都市の消費スタイルが変化しようとしています。
パルコは大丸松坂屋百貨店を運営するJ.フロントリテイリングが、2020年2月に公開買付を実施し、完全子会社化しました。パルコは上場廃止となり、現在はJ.フロントリテイリングの傘下にあります。
パルコの2021年度の営業収益は前期比17.4%増の574億8800万円。営業収益はコロナ禍から回復しているように見えますが、2019年度と比較すると7割の水準に留まっています。
旗艦店である渋谷パルコの修繕工事を行うため、2016年8月7日に一時閉店。2019年11月22日にリニューアルオープンしました。パルコとしては珍しく、グッチやロエベなどのハイブランドのテナントが入居しました。
リニューアルオープンの影響で2019年度の営業収益は大幅に伸張しましたが、新型コロナウイルス感染拡大と緊急事態宣言の発令で外出や営業時間に制限が課されます。2020年度の営業収益は急激に縮小しました。
パルコには2つのタイプが存在します。都市型とコミュニティ型です。大都市圏と地方都市でターゲットやニーズは異なります。その場所に相応しい店舗を展開するため、2種類に分割しました。
都市型とコミュニティ型のテナント取扱高を比較すると、集客力の違いがよくわかります。都市型の2021年度の平均取扱高は128億6100万円。コミュニティ型は68億8900万円でした。
営業収益は2019年度の7割ほど
都市型とコミュニティ型で集客力が…
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