デジタル

WindowsとMac「どっちを買う?」論争、勝手に最終決着。スタイルで選ぶなら

Macは高いと思っていたけど…

mac book air

Apple公式ホームページより

 あえて今推すからには理由があります。最大のポイントはやはり「価格」です。ノートPCだけでなく、Appleの製品群は軒並み「お高め」なのは周知の事実。  その歴史をたどると特に顕著で、90年代後半当時の最新モデルだったPowerBook G3で、30万〜40万円前後したと記憶しています。重量もかなりあって、本当に好きな人だけが持つ、ラグジュアリーアイテムのような装いだったように思います。その後、多少廉価になったiBookなどを経たとはいえ、MacintoshのノートPCは一介のサラリーマンにはずっと高嶺の花でした。  こうした「対Windows PC」におけるMacのノートPCは相対的に比べられることで「高価ゆえの忌避」と「こだわりのプロダクト」という2つの絶妙なブランディングで独自の存在感をキープしてきたといえるでしょう。  ところがこの数年、はたとその価格を見てみると「あれ?実はそんなに高くないんじゃないか?」と言えるところまで“降りてきてくださった感”がでてきました。もちろん、高いスペックを選べばとんでもない価格のものも存在するのですが、それはWindows PCであっても同じこと。拡張性の高いゲーミングPCなどがその最たる例です。  実際の市場価格を見てみるとどうでしょうか。メモリ8GB、HDD256GBのマイクロソフトSurface Laptop Go 12.4インチというモデルは95,000円(税抜)。これに対して、ほぼ同等スペックの2020年発売最新のMacBook Air13インチは104,800円(税抜)。その価格差は約1万円という接近を見せているのです。  ついこの間までツンツンしていたMacが、なんだかちょっとツンデレくらいに感じてきませんか? 他にもDellのInspiron15や日本エイサーのAspire5など、比較的お買い得な印象のあるメーカーのノートPC勢であっても多少のスペックの差さえあれ8万円台後半から10万円くらいにシフトしていることからしても、随分と身近な存在になってきたと感じるのではないでしょうか。これならちょっと無理めだったMacとも、少し背伸びすればお付き合いできそうな感じがしてきます。

即買いフラグは立った

 これくらいの価格感で、十分なスペックが手に入るとなれば家庭内でも堂々と“買い”を宣言しやすくなってきます。高額商品の購入に大きな決定権を持つ奥様方にとっても、このコロナ禍でのZOOMやLINEなどでのテレビ電話によるコミュニケーションでスマホの小さな画面や使い勝手の悪さにそこはかとなく不満がたまりはじめているはず。つまりPCの購入はそうした奥様方にとっても重視点の一つになってきているのです。  なかなか帰省できない実家とのテレビ電話や、もちろん奥様ご自身だって在宅でPCを駆使しZOOM会議などをして仕事をしているケースも非常に多い。加えて昨今は子供の学校や塾などもZOOMで実施されることも増えてきており、実は今あらゆる家庭において“デバイス不足”が発生してしまっているのも忘れてはならないポイントなのです。  ここまで理由が揃っていれば、“即買いフラグ”は立てやすいはず。この数年でのこうしたPCの隠れたニーズがあるからこそ、いっそのこと欲しかったMacを買おう!と高らかに宣言ができるというもの。「Windows PCでも十分でしょう」という反対を押し切ったとしても、家族みんなでハッピーになれると思うのです。
次のページ
Mac派の声を聞いてみると…
1
2
3
数々の雑誌を渡り歩き、幅広く文筆業に携わるライター・紺谷宏之(discot)と、企業の広告を中心にクリエイティブディレクターとして活動する森川俊(SERIFF)による不惑のライティングユニット。 森川俊 クリエイティブディレクター/プロデューサー、クリエイティブオフィス・SERIFFの共同CEO/ファウンダー。ブランディング、戦略、広告からPRまで、コミュニケーションにまつわるあれこれを生業とする。日々の活動は、seriff.co.jpや、@SERIFF_officialにて。 紺谷宏之 編集者/ライター/多摩ボーイ、クリエイティブファーム・株式会社discot 代表。商業誌を中心に編集・ライターとして活動する傍ら、近年は広告制作にも企画から携わる。今春、&Childrenに特化したクリエイティブラボ・C-labを創設。日々の活動はFacebookにて。

記事一覧へ
おすすめ記事