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佐久間由衣「自分の家に侵入していたら…」他人の住居に不法滞在しながら生きる女性に

『彼女はキレイだった』『最愛』『君は永遠にそいつらより若い』など、話題のドラマや映画にたて続けに出演し、俳優として成長著しい佐久間由衣。現在放送中のドラマ『ヒル』(WOWOWプライム)では、社会からドロップアウトし、他人の住居に不法滞在しながら生きる“ヒル”の女性・ロボを演じている。

「目には見えないけどつながっている」感覚を大事に

佐久間由衣――今作は社会から落ちこぼれてしまった存在を描くドラマですが、佐久間さんはその不安や怖さを感じることはありますか。  今は携帯電話とかソーシャルメディアとか、人とつながれる、つながっている感覚を持つことが簡単にできる時代じゃないですか。それはとても便利ですし、そこに支えられるというか、温さを感じることもありますけど、そこだけがすべてではないと。  たとえば携帯を家に忘れると社会とのつながりを感じなくなる感覚に陥る人って多いと思いますが、そうではなく、目には見えないけど人とつながっている、社会とつながっているという感覚は大事にしていきたいと思いますね。

歴史的瞬間を生きている

佐久間由衣――今回のドラマに出演して最も強く感じたことを教えてください。  原作が漫画なので、最初は別世界で起こっているような感覚ではあったんですけど、実際にお芝居をしてみると、もしかするとこういう人たちって実際にいるんじゃないか、(今の社会において)成立してしまうのではないか、ということを感じましたね。ヒルがもし自分の家に侵入していたらどうしようという恐怖と妄想にかられました。  ヒルという存在に対して共感は必ずしもできないですけど、そういう生活を送らなければいけなくなった背景、現代社会における歪みみたいなものはとても感じます。 ――新型コロナウイルスによってエンタメ界も大きな打撃を受けたと思います。  基本的に楽観的な性格なので、起こってしまったことをまずは受け止めるタイプです。なので私自身というより、エンターテイメントがどうなってしまうのかという不安はありました。  でも、同時に自粛期間中、配信系のドラマサービスが良く使われるようになったと感じていて、だからこそ、なくなることはないだろうなという希望は持ちつつ、いろいろな選択肢が増えつつ変わっていくんだろうなという、歴史的瞬間を生きている感覚です。
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株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Twitter⇒@Yuichitter

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