堀田茜の“揺れ方”が気になる理由。「股をうちつけた名場面」も忘れられない
モデル、タレント、俳優――この3つの肩書から堀田茜はいったい、どれを選ぶのだろうか?
とんだ愚問だと理解しつつ、おそらく彼女は俳優を選ぶんじゃないだろうか。でも他方で、モデルからタレントに、タレントだから俳優にという着実な歩みがあるのも確か。そんなことを考えさせてくれたのが、毎週水曜日深夜24時30分から放送されている主演ドラマ『好きなオトコと別れたい』(テレビ東京系)だ。
イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、その“揺れ方”に注目しながら、本作の堀田を解説する。
堀田茜が気になる。その理由は、彼女が日本屈指のアクション俳優だからというと驚かれるだろうか? じゃあ今度は彼女がどうしてアクション俳優といえるのかということになるのだけれど、それはひとまず保留にして……。
主演最新作『好きなオトコと別れたい』第1話の冒頭場面に注目。30歳目前の主人公・白石郁子(堀田茜)はとことん疲れている。残業を終えた金曜日の夜。早くビールが呑みたい。でもどこかに呑みに行く元気まではない。結局はコンビニの缶ビールとささやかなツマミを頼りにするしかない。そんな人生。
侘しさすら漂う郁子のモノローグがぼそぼそもれ聞こえる帰りのバス。車内で揺られるしがない勤め人かと思うのだが、吊り革につかまっている堀田茜の揺れ具合がどうも気になる。そのわずかな動きを見て、実は彼女こそ“揺れ方の名人”ではないかとふと気づいたのだ。
揺れるという運動がアクションそのもの。車内の揺れにただただ身を委ねてゆらり、ふらりする堀田は、(もしそんなものがあればの話だが)揺れ方のマナーすらきちんと踏まえているように思う。
揺れ方のマナーとは、とりとめなく揺れ続けるのではなく、わずかなスイングの動きを微調整するように控えめである状態。だからあの車内のゆらり、ふらりは、永遠の微調整が繰り返されながら、おそらくオートマチックに揺れ続けていられるもの。
他にもある。郁子にくっついているヒモ男・黒川浩次(毎熊克哉)との回想場面。店から出てきた郁子が吐きそうだといって口を押さえながら浩次にもたれかかる。ここでも堀田の身体はゆらり。でも控えめに、細心の注意を払って無闇には動かない。この抑制された揺れの演技は、ダンスを得意とする堀田の体幹や平衡感覚からきているとひとまず理解しておこう。
堀田茜が気になる、その理由は…
「揺れの演技」のベースにあるのは
コラムニスト・音楽企画プロデューサー。クラシック音楽を専門とするプロダクションでR&B部門を立ち上げ、企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆。最近では解説番組出演の他、ドラマの脚本を書いている。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ