お金

ドコモ、大戸屋、不二家…続出する「大量閉店」。復活のカギはイオンモールにあり

効率化と差別化のはざまで…

イオンモール幕張新都心

写真はイオンモール幕張新都心

 イオンモールもコロナが直撃し、21年2月期の純利益は18億円の赤字に転落しましたが、22年2月期は黒字浮上の見通しで、ここからの復活に期待が寄せられます。  徹底的に「効率化」が重視される時代ではあるものの、自社ならではの「独自性」「差別化」をも、求められる時代。さらに「ファン・コミュニティ」の形成までもが企業の主要命題となっています。  限られた収益、予算の中でユーザー、消費者を惹きつけるサービスを提供し続けなければならないため、目先の不採算事業は撤退する、閉店するというのは当たり前のことです。

低価格を追い求めることで生まれる弊害

 今回、ご紹介した業種はそれぞれ異なるものの、いまの世の中に横渡っている大きな共通項は「効率化」と「差別化」の両立を求められています。単純に効率化を追求し続け、「低価格」でサービスを提供することがすべて正しいわけではないわけです。効率化の結果として安い値段で提供できたとしても、従業員の待遇悪化に繋がれば、日本全体がデフレから脱却できないということを、私たちは理解しつつあります。  一方で、「差別化」を追求するには「知恵」も「労力」も必要とされる。すべてをそぎ落とした組織には「差別化」を生み出す要素すら残っていないでしょう。  差別化を生み出す要素を消さない程度に効率化を進める。効率化を進めながら、モールとしての「祭典・お祭り」の要素を各ショッピングモールに見いだそうとしている、イオンモールの復活に期待です。
馬渕麿理子

馬渕麿理子

<文/馬渕麿理子>
経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi
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