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『シン・ウルトラマン』斎藤工が愛するSF映画『サンダ対ガイラ』や『ブロブ』の魅力

正統派の二枚目から全身緑の宇宙人まで。これまでに演じてきた役柄の幅広さでは他の追随を許さない俳優、斎藤工。5月13日公開の『シン・ウルトラマン』では、彼のフィルモグラフィのなかでもインパクト抜群の“ウルトラマンになる男”という役を演じている。 その撮影秘話や作品の魅力、『ウルトラ』フリークの叔父さんとのエピソード、“すごい”と“面白い”が混同されつつある映画業界への思いなどについて、幅広く語ってもらった。 斎藤工_RE_DMA-_TKM3986-Edit

ウルトラマンは想像の起源のような存在

――まずは『ウルトラマン』に抱いていた印象からうかがいます。 斎藤 日本はもちろん、世界中の人にとっても当たり前のものとして“そこ”にあるアイコンのようなキャラクターであり、シリーズであると思うんですが、僕の場合はちょっと違ったんですよ。 子供の頃、シュタイナー教育というものを受けていて、家にテレビがなかったり、とにかく娯楽が制限されていたというか、その数が限られてたんですね。でもなぜかウルトラマンと怪獣の人形が数体あって、そこからいろんな物語を想起していったんです。だから、僕にとって創造の起源みたいな存在なんですよ。 あとになって知ったんですが、うちの父は映像業界に入る前に円谷プロダクションでアルバイトをやってたらしいんですよ。『ウルトラマンタロウ』(’73)の爆破なんかを担当してたみたいで、その兼ね合いもあって人形があったんだと思います。

ウルトラマンフリークだった叔父の存在

――お父さまは、まだ少年だった斎藤さんにその話はされなかったんですね。 斎藤 まったく聞いたこともなかった(笑)。それこそ『シン・ウルトラマン』のお話をいただいて、そのことを報告したときに聞かされました。あと、叔父がかなりのウルトラマンフリークなんですよ。 だから、僕にウルトラマンを見せてくれたのは叔父なんです。ちょうど小学校高学年くらいだったと思うんですが、これは本物の映像ではなく、ミニチュアのセットで撮影されたものなんじゃないかと疑念を抱いたとき、叔父が「いや、あれは本物だよ!」って熱弁して信じ続けさせてくれたというエピソードがありまして(笑)。 たぶん、それまで好きだったものと距離を置くための要素を探し始めるような時期だったと思うんですね。つまり次の娯楽に、次のフェーズに移行してしまうようなタイミングだったんですけど、そこで叔父に引き戻してもらったという感覚があるんです。 今になって考えてみると、あの曖昧な感覚で過ごした期間が、自分にとって非常に大きかったと思うんですよ。こういうものにロマンを見出すことができる素地を作ってもらったというのかな。そういう意味では、非常に叔父孝行にもなってますね。僕の周りで、誰よりも『シン・ウルトラマン』の公開日を気にしてくれてますから(笑)。
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“影”の部分を描いた実相寺昭雄氏
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