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安倍元総理を海外メディアはどう報じているか。光も影もある“本当”の評価

世論を二分する安倍元総理の「国葬」

安倍晋三

出典:首相官邸ホームページ

 安倍元総理の国葬が世論を二分しています。生前から支持と不支持のあいだで激しい対立を生んできた安倍氏。死後もなお大きな影響を残しているようです。 「朝日川柳」(朝日新聞 7月16日)では、<疑惑あった人が国葬そんな国>、<忖度はどこまで続くあの世まで>など、選ばれた句のすべてが批判的なものでした。これに怒った安倍シンパが、“#朝日新聞の廃刊を求めます”なるハッシュタグまで作り反発したのです。  すると、“反安倍”で知られるタレントのラサール石井氏が自身のツイッターアカウントで川柳を<素晴らしい!>と絶賛。続けて、<国葬に反対する人を非国民のように言い死を悼まない人間だと攻撃する者は彼らも攻撃するのか>と、持論を展開しました。

衝突を生む背景は?

 こうした衝突を生む背景のひとつには、総理在任時に“モリカケ”や「桜を見る会」などの疑惑について真摯に説明してこなかったことがあります。  かつて衆議院議長も務めた伊吹文明氏が、<ありていにいえば、安倍さんには大変な道義的な責任がある。>(朝日新聞 2018年4月12日)と語っていたように、国民の不信を払拭する努力をおろそかにしてきたのは否めません。    そして悲惨な銃撃のきっかけになった統一教会の問題が、さらなる影を落としています。長年あえて触れられてこなかったタブーが、ついに白日のもとにさらされているのです。  一部のコメンテーターは、“安倍氏と統一教会を結びつけるネットの陰謀論を鵜呑みにしてしまった”と、山上徹也容疑者の動機を矮小化しようとしていました。  しかし、海外報道を見ればそれが明らかな誤りであることがわかります。
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いち早く統一教会との関連を報じた米CNN
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音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4

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