続出する五輪汚職逮捕。政治とカネ=利権根絶のカギはどこにあるのか?<評論家・佐高信氏>
―[月刊日本]―
政治と経済の癒着
―― 東京五輪汚職をめぐって元電通の高橋治之氏や、AOKI前会長の青木拡憲氏、KADOKAWA会長の角川歴彦氏などが逮捕されました。森喜朗元総理も任意で事情聴取を受けています。一連の問題により、一部の人たちが利権を食い物にしている構図が明らかになりました。佐高さんは政治や企業の問題を追及してきましたが、なぜこうした利権が生じてしまうのでしょうか。
佐高信氏(以下、佐高) 政治が経済に介入するところから利権は生じるんですよ。本来であれば、いま統一教会をめぐって問題になっている「政治と宗教の分離」ではないけども、政治と経済は分けておかなければならない。政治は政治の原理、経済は経済の原理で回す必要がある。この原理が踏みにじられ、政治と経済が癒着してしまっている。
森喜朗などその典型だよね。彼は事あるごとに経済に介入してきた政治家です。ただ、森をかばうわけではないけども、これは森個人の問題というより、清和会という派閥の問題と見たほうがいい。清和会は自民党の田中派や宏池会といった派閥と比較すると、傍流の派閥でしょう。だから彼らが付き合う相手はどうしても新興企業になる。昔からある大企業だって政治と癒着し、巨大利権を形成しているけど、こういう会社は主流派の派閥に抑えられてしまっているからね。
だからリクルート事件のようなことが起きるわけだ。あの事件が起こったとき、リクルートは新興企業だったでしょう。森はリクルートから未公開株をもらっていたけど、森が一番危なかったのはあのときだよ。地元の駅や地下道にスプレーで「森喜朗、近日中に逮捕」などと大書されて大変だったらしい。
それから、清和会は文教族が多いですよね。文教族はスポーツと結びついているから、今回の東京五輪のような問題が出てくるわけです。
もう一つ言えば、文教族は教育で国民を馴致するという考え方を持っており、タカ派が多い。だから「経済安保」といった発想になるんですよ。これも政治が意図的に経済に介入し、経済を歪める考え方だね。
その一方で、経済が政治に助けを求めてくるという側面も見落としてはならない。電通なんてまさにそうでしょう。彼らは自らの力で何も生み出していない。政治家と仲良くなり、国から仕事をとってきているだけだ。単なるブローカーですよ。
竹中平蔵だってそうですね。竹中は小泉政権の「官から民へ」を主導したけど、あれは要するにパブリックでなければならないものをプライベートにし、そこで企業に金儲けをさせたというだけの話です。鉄道や郵便、水道をはじめ、国がカバーしなければならない領域というものはたくさんある。ここは競争原理に晒してはならない。警察や消防を私企業にするようなものです。竹中平蔵のやったことはそういうことですよ。
しかも、竹中は市場競争が大切だなどと偉そうなことを言っていたけど、実は自分たちは市場競争なんてしていない。電通やパソナが政府から仕事をとってくるのは、市場競争の結果ではなく、政治とズブズブだからでしょう。これほど市場原理とかけ離れていることはないよ。
利権争いとしての国鉄民営化と郵政民営化
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げっかんにっぽん●Twitter ID=@GekkanNippon。「日本の自立と再生を目指す、闘う言論誌」を標榜する保守系オピニオン誌。「左右」という偏狭な枠組みに囚われない硬派な論調とスタンスで知られる。
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