仕事

「街の青果店」から業界人も注目の店に。転機はサーフィン仲間の叱咤激励

“果物屋が作るフルーツ加工品”

加工場

2022年からフタバフルーツの店内に加工場を設け、さまざまなフルーツ加工品を作っているという

 青果店の未来を常日頃から考えていた成瀬さんだが、コロナ禍でイベントがなくなったことで、フタバフルーツの今後を考えるいい機会になったそうだ。 「コロナ禍の影響が大きかったのは、とにもかくにもイベントの需要がほとんどなくなってしまったこと。ウエディングや展示会、パーティーなどのケータリングが減ってしまい、売上も半分以上落ちてしまったんです。でも、こうしたお声がけがなくなったからこそ、『自分からフタバフルーツの強みを提案したい』と思うようになった。そこで行き着いたのが、ある種飛び道具としてのフルーツ加工品でした」  フタバフルーツの中にフルーツの加工場を作り、ゼリーやフルーツサンド、ドライフルーツ、アイス、大福などの商品も販売するようになったという。  “果物屋が作るフルーツ加工品”を始めたことで、例えばイベント出店の際は生のフルーツ以外の商品も並べられるようになる。また、飲食店や小売店との新たな接点も生まれ、ビジネスの可能性も広がる。

今年は再出発の年として催事出店やフェス開催も企画

夢を語る様子 こうした新たな挑戦を、成瀬さんは「リ・スタート」と表現し、今後の青写真をこのように見据える。 「年内中にはフタバフルーツとして、今までやれていなかった百貨店やデパートの催事にも出店したいと思っています。また、昨年80周年を迎えたのもあり、11月にはフルーツを通して、人と人が繋がれるような『フルーツフェス』を豊洲の野外にある都市型アウトドアパーク『WILD MAGIC』で企画しています。農家やくだものナイフの職人、フタバフルーツを愛してくださる方などが集い、フルーツの伝統や楽しみ方を学べるようなイベントにしていきたい。ここ2年間イベントをしてこなかったので、このイベントがいい起爆剤になればと思っています」 <取材・文・撮影/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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