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日本代表、コスタリカ戦は「まったく違う戦術で挑むべき」これだけの理由

負けられないコスタリカ戦

 まだ開幕して間もないFIFAワールドカップカタール2022だが、早くも印象的なジャイアントキリングが立て続けに発生している。アルゼンチンを破るという大金星を成し遂げたサウジアラビアに続き、先制されながらも難敵・ドイツを2‐1を退けたサッカー日本代表の躍動は鮮烈の一言。ネガティブなニュースが多い昨今、日本列島が歓喜の渦に巻き込まれたのは喜ばしいことである。
日本代表 サッカーW杯

ドイツ戦終了直後、感情を爆発させる日本代表の面々

 さて、ドイツに勝ったからといって、次のステージへ進出が決まったわけではなく、日本サッカー協会が掲げる「新しい景色」はまだ見えていない。日本時間27日(日)19:00からはコスタリカ戦、12月1日(木)28:00にはスペイン戦が控えている。  同日に行われたスペイン代表とコスタリカ代表の一戦は、スペインが圧倒的にボールを支配して7-0で勝利した。スペインの強さだけが目立った試合となり、コスタリカは恐れるに足らず相手と思いがちだが決してあなどれない相手ではある。  その前にジンクス的な話になるが、ワールドカップにおける日本は第2戦に弱い。過去に出場した6大会での第2戦の成績は1勝2敗3分で、勝利を収めたのは2002年日韓大会のときにしか経験していない。

選手のコンディションも懸念される

サッカーW杯 日本代表 サポーター

現地で応援するサポーターにとって、一生忘れられない夜になったはずだ

 3戦目の相手がグループ最強のスペインということを考えれば、コスタリカには是が非でも勝ちたいところだ。しかし、スペイン対コスタリカの一戦は、あまりにも一方的すぎる展開だったため参考にできる部分は少なかった。それでもわかっていることからシミュレーションすれば、勝てる相手である。  コスタリカは堅守を売りにしたチームだ。スペイン戦でもしっかりと守備ラインを固めてブロックを築こうとしていたが、それをスペインのパスサッカーにボロボロに崩されてしまった。スペインと同じクオリティでパスサッカーを展開できるかというと、今の日本にはできない。だが、コスタリカ相手にはそれに近しいところまでできるだけの実力はある。そこで難しくなるのは、ドイツ戦とは全く異なる戦術で臨まなければならないという点だ。戦術を浸透させるには短い時間しか残されていない。  また、選手のコンディションも懸念される。森保監督が宣言していたとおり総力戦でドイツに勝った日本は、5人すべての交代枠を使った。直前に別メニューだった遠藤や三苫にそれほど不安は感じなかったが、冨安や守田英正にはコンディションに不安が残ったままだ。加えて、浅野もまだ戻りきっていない様子だった。加えて、酒井が負傷による交代でその状態が心配される。吉田も終了間際には足をつっており、疲労の蓄積が懸念される。
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先発メンバー、戦術も別の布陣で
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スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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