更新日:2023年02月16日 17:14
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歌舞伎町卍會総長と関係を築いた人々が語る、トー横を守るハウルの功罪

ハウルの“カッコつけ”とも取れる言動の功罪

ハウル

Hさん(仮名・41歳)
自身も多くのボランティア経験があり、歌舞伎町卍會創設時に入会。初期メンバーとして活動を支え、口や鼻周りにコンプレックスがあり、仲間との飲食を極度に嫌ったハウルが飲みに誘うほどの信頼関係を築いていた

 一方で卍會幹部のHさん(仮名・41歳)は、こうしたハウルの“背伸び”には負の側面もあり、卍會はボランティア団体としての機能を失っていったと指摘する。 「ハウルはある時期から、メンバーの増員に注力するようになった。目立つために、YouTuberや某テレビ局取材班を”名誉幹部”として在籍させることも。団体の規模を拡大するほど箔が付いて、トー横で威厳を保てると思い込んでいたのでしょう。インフルエンサーへの憧れも強かったはずです。承認欲求も後押しして卍會は目的もなく拡大を続けました」  しかし、人数が多くなればなるほど団体の統率は取れなくなっていくもの。Hさんが続ける。 「いつからか卍會の集会には、ただお酒を飲んでたむろする人が増えていった。地べたに座って大人数で飲むことがボランティア団体のあるべき姿なのか……。いくら清掃活動をしていようと、子供たちと同じ目線で相談にのっていようと、これじゃあ世間から周りのトー横キッズたちと同じように思われても仕方ないですよ」

「良くも悪くも単純」知られざる素顔

 当然、トー横で夜通しお酒を飲んでいれば、メンバーがトラブルにも巻き込まれる可能性も高まる。ハウルは頻繁に喧嘩の仲裁にも入っていたが、そのやり方にも疑問があったという。 「広場で揉め事や喧嘩が起こると、ハウルは1人で解決しようとするんです。卍會のグループチャットで『解決するまで集会は開かないでください』と伝え、揉め事を起こした当事者に対しては、知り合いの反社に電話して脅しをかける形で丸め込んでいた。ただハウルは良くも悪くも単純なやつ。正義感で喧嘩を止めていたとはいえ、片方の話を全面的に信用して、もう片方の言い分を聞かずに一方的に脅すなど、公平性は怪しかった。それにつけ込むキッズたちも出てきて、ハウルに好かれようと日頃からゴマをすったりと、ハウルがワンマン化している側面もあった」(Hさん)  ハウルは良くも悪くも、卍會のリーダーとしてカリスマ性を遺憾無く発揮していたようだ。
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ハウルのカリスマ性に惹かれた少年
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