更新日:2023年02月16日 17:14
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歌舞伎町卍會総長と関係を築いた人々が語る、トー横を守るハウルの功罪

母子家庭で育ったハウル。浮いていた小学生時代

そこまでしてハウルが卍會の活動に心血を注いでいたのはなぜか。話はハウルの幼少期に遡る。 「逮捕後、小川さんのことを知りたくて幼馴染に話を聞いたことがあるんです。その方によれば、小学校高学年あたりから小川さんはシングルマザーの母とも疎遠になっていったらしい。当時から変わり者で、周囲から気を引きたいからか、学校では大音量で好きな音楽をコンポで流したりしていたそうです。どちらかというと浮いていていたとのこと。きっと家庭やクラスに居場所がなかった過去の境遇を、トー横にいる子供たちと重ね、力になってあげたいと思っていたのかもしれませんね」  過去にはネットスターを目指し、配信者をしていた時期もあるハウル氏。インフルエンサーでもあった“歌舞伎町卍會総長・ハウル”は、小川雅朝の目立ちたがり屋な一面と、自分と同じ痛みを持つ子どもの助けになりたいという善意がちょうど交差する、人生の集大成だったのかもしれない。

ハウルが獄中で書き残した“最後の手紙”の中身

 逮捕後のハウル氏は、月2、3回のペースで彼女のMさんとやり取りをしていた。最後となったのは、亡くなる半月前、10月28日の手紙だ。 「手紙に泣き言は一切なく、前向きなことばかりでした。ほかにも『歌舞伎町は危ないので俺が釈放されるまでは実家にいてね』と私を気遣ってくれて。彼の死にはさまざまな憶測がありますが、少なくとも自殺の予兆は感じなかったです」  現在、ハウル氏の遺骨を引き取る親族は見つかっていない状況だという。 「2年待って動きがなければ私が引き取りたい。以前は彼との交際に反対していた母も、逮捕後もマメに連絡する彼を認め、私の意思を尊重してくれています」  トー横の治安を守るため奮闘し亡くなったハウル氏と、彼を陰で支えたMさん。死別後もふたりの絆は続いていく。 取材・文/SPA!歌舞伎町卍會取材班 写真/グレート・ザ・歌舞伎町
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