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自民党政治と決別しないと「無限大に都合の良い増税をされる」理由/倉山満

増税して民の活力を強める方法などない

 ならば自称現実主義者どもに聞く。増税して民の活力を強める方法、言ってみろ? ある訳がない。自称現実主義者の言い訳は、「もう経済成長しない」だ。じゃあ、日本よりGDPが大きいアメリカだって成長しているのは何か。先進国で経済成長していないのは、日本だけだ。今や世界中で「日本みたいになるな」が経済学の基本だそうだ。恥ずかしい。  まっとうな経済学に基づけば、防衛力の財源は、経済成長だ。足りない分はかき集め、最後の手段が国債だ。デフレ脱却前の増税など絶対に不可。だからこそ、日銀総裁人事が重要になるのであり、黒田東彦現総裁の後は、正統派経済学を修めている若田部昌澄副総裁の昇格、一択だ。

経済成長をさせられる日銀総裁を選ぶことこそが、国防だ

 今の日本が何をなすべきか。防衛力増強なのだが、その財源を確保するのは増税ではなく成長。経済成長をさせられる日銀総裁を選ぶことこそが、国防だ。これこそ安倍晋三元首相の「遺言」ではなかったか。  12月8日木曜日、岸田首相が「防衛増税を’24年からやる」「どの税を増税するかを考えろ」「国債は不可」などと言い出したのに反発したのは、安倍元首相に近かった議員たちだった。  先陣を切ったのは、高市早苗経済安保担当大臣。10日土曜日に「総理の真意が理解できない」「普段は呼ばれる会議に呼ばれず、発表」と造反。首相をだまし討ち呼ばわりした。  さらに、閣僚全員が意見を言える場を設けて欲しいと要求。そんなの、閣議しかあるまい。

高市大臣を契機にできれば、岸田内閣は潰せたはずだ

 週が明けてからも記者懇談では、「覚悟して言っている」とまで言いきった。完全に喧嘩を売った格好、のはずだ。  そして、「首相とアポが取れない」とまで言い出す。造反した大臣に会うより大事な理由などない、はずだ。その日、閣僚懇談会が行われ、和やかに談笑。10分ほど会談したとか。  そして火曜日の定例閣議。ここまでやったら辞表を叩きつけるかと思いきや、会見で「罷免されても仕方ない」と言っただけ。  ここで安倍元首相の「遺言」を守る人たちが本気になればどうなったか。岸田内閣は潰せたはずだ。高市大臣に続き、安倍派閣僚の総引き揚げをチラつかせるだけで、防衛増税を撤回に追い込めた。辞任ドミノで苦しんだ岸田内閣に、圧力をかければよかった。しかし、やらなかった。  SNSでは「どうせ、いつものガス抜き」だろ、と冷ややかだったが。
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ならば、国民は脅すしかない。自民党がふざけた政治を続けるなら、泉健太を首相にするぞ!
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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