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自民党政治と決別しないと「無限大に都合の良い増税をされる」理由/倉山満

自民党がふざけた政治を続けるなら、泉健太を首相にするぞ!

 この原稿を書いている頃には、岸田首相の会見が終わってない。本気で池田勇人の霊が岸田さんに舞い降りてくれないかと毎日祈っているが、その気配はなさそうだ。  安倍元首相の国葬もそうだったが、岸田首相は一部の側近と官僚だけで政治を進め、与党は「採決要員」にすぎなくなる。与党の、特に安倍派の議員は怒った方がいいのでは?  それを「どんなに揉めても、言いたいことを言ったら従うのが自民党の知恵」などと言い出しかねない。その「自民党の知恵」とやらが、「防衛増税」なのか。  ならば、国民は脅すしかない。自民党がふざけた政治を続けるなら、泉健太を首相にするぞ!  今回、立憲民主党の泉健太代表は、防衛増税に反対している。「復興増税を防衛費に回すなど、予算への白紙委任だ」と批判している。正論ではないか。

国民は、必要なときに税金を差し出せと言われているようなもの

 文明国の通義は、「代表無ければ課税なし」だ。新たに税金を取りたてる必要があるならば、選挙で選ばれた議会の承認をえよ。その前に、総選挙で民意を問え。  つい最近、7月に参議院選挙があった。その時、岸田自民党は増税を公約にしなかった。しかも岸田首相は「必要な時には増税を打ち出す」とまで言い切った。これでは国民は、自民党内閣の言われるままに税金を差し出し、使い道を白紙委任しろと言われているようなものではないか。  ここまで自民党がふざけた政治を続けられるのは、代わる野党が無いからだ。「泉健太を首相にするぞ」と脅しても、「どうぞ。やれるものなら」と返されるのがオチだ。これは立憲民主党の罪だ。  泉代表は殊勝にも、「現実的には次の次の選挙で政権奪取」などと公言している。それを聞いた自民党は「じゃあ、次の総選挙は勝たせてくれるのか」と思うだけだ。立憲に限らず、「今の我々には政権担当能力が無い」と物分かりがいい。では、今の自民党のどこに、政権担当能力があるのか。  岸田首相がダメ、自民党もダメ、代わる野党が無い、という政治から決別しないと無限大に増税されるぞ。
’73年、香川県生まれ。憲政史研究者。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務め、’15年まで日本国憲法を教える。ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰し、「倉山塾」では塾長として、大日本帝国憲法や日本近現代史、政治外交についてなど幅広く学びの場を提供している。主著にベストセラーになった『嘘だらけシリーズ』や、『13歳からの「くにまもり」』を代表とする保守五部作(すべて扶桑社刊)などがある。『沈鬱の平成政治史』が発売中

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