南極の氷が溶け続けると東京23区が海に沈む?地球温暖化が及ぼす日本列島への影響
「地球温暖化により、南極の氷が溶け続けている」
この事実を聞いても、自分たちの生活に変化はないため、実感が湧かないのも無理はない。ただこういった状況が続くと、氷が溶けたことで海水が上昇し、近い将来日本列島にも影響が出始めると言われている。
地球温暖化を放置し、南極の氷が溶けることで、日本はどのように変化してしまうのか。国立極地研究所広報室の熊谷宏靖氏に話を伺った。
まず初めに、1年間で南極大陸の氷はどのくらい溶けているのか伺った。
「年間に直すと、おおよそ約100ギガトンです。聞いたことない単位かもしれませんが、日本人が使う1年間の生活水が、全国民合わせて13ギガトン。だから日本人が使う水の7年分の氷が失われている計算になります」
それだけの量の氷が溶けると海水面は上昇し、ほんの少しずつではあるが、陸の面積が減り続けていると語る熊谷氏。では極端な話、南極の氷がすべて溶けてしまった場合、日本列島はどのように変化するのだろうか。
「南極の氷がすべて溶けた場合は、約60mの海水面の上昇につながると言われております。関東平野の広い範囲が水没し、人間は住めなくなってしまうでしょう。わかりやすく言うと、東京湾の西側では日野市や府中市あたり(東京湾から約35キロ)がちょうど波打ち際になりそうです。
もちろん世界規模で見ても同じことが言え、大都市の多くは低地にありますから、大規模な影響が生じます。ちなみにアメリカの東海岸などは海面下となってしまいます」
1年間に日本人が使う生活水の7年分が溶け続けている
日野市や府中市あたりが「波打ち際」になる可能性も
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