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バイカーの約8割がおっさんであるという衝撃の事実。もはや共通言語だ

おっさんは二度死ぬロゴ_確認用おっさんは二度死ぬ 2nd season

バイクはおっさんの共通言語

 つい先日、ふと思い立ってバイクを購入した。  通勤用に使用していた自転車が老朽化によって荼毘に付されたという事情もあったが、本当に思い付きで、フラっとバイク屋に赴き、フラっとバイクを指さして購入した。本当に得体のしれない何かに導かれたように購入した。  僕は若い頃に合宿免許でヤンキーに囲まれながらバイク免許を取得したので400ccまでのバイクに乗ることができる。それでも、さすがに通勤用にそこまで大きいバイクは必要ないという判断から110ccのバイクを購入するに至った。  HONDAのクロスカブ110というバイクだ。全部で38万円くらい払ったと思う。なかなかお高い買い物だ。ただ、このバイクはとてもカッコイイし、オシャレな雰囲気がある。それよりなにより、運転していて面白いので38万円を払うだけの価値があったと思う。  さて、そんなこんなでクロスカブ110にまたがって街を駆け抜けているわけだけども、そんな中である事実に気が付いた。  これまでは街中を走るバイクは気にならなかったのに、自分がバイクを運転している立場になると、途端に他のバイクが気になるのだ。街で見かける他のバイク、それらを見ていて気が付いたのだ。 「バイクに乗ってるの、おっさんばかりじゃない?」  あれもおっさん、こっちもおっさん、とにかくバイクを見かけたらおっさんがそこにまたがっているのだ。原付スクーターなどを除いたらほぼ全てがおっさんと言っても過言でない状態だった。

バイク購入者の大半がおっさんである衝撃の事実

 じつはこれ、感覚的なものではない。日本自動車工業会が2年ごとに発表している「二輪自動車市場動向調査報告書」によると、2021年度、バイクの新車を購入した人の平均年齢は54.2歳であった。30代以降が占める割合は驚異の88%である。報告書によると男女比は昔から変わらず男性85%女性15%なので、30代以降の男性をおっさんと定義するならば、バイク新車購入者がいたら0.88×0.85=0.748つまり75%の確率でおっさん、ということだ。バイクを買うの、ほぼおっさんといっても過言ではない。  もちろん、この数値は「新車購入」に限るので、中古車購入や譲渡などを含めると、おっさん以外のバイクユーザーも増えてくるのだろうけど、やはり、バイク界はおっさんが中心で、大きいバイクになるほどその傾向が顕著になる。  さて、そんなおっさんだらけのバイク界、自分もバイクに乗るようになって分かったが、バイクはおっさんの間での共通言語として成り立っているのだ。  愛機であるクロスカブ110にまたがり颯爽とコンビニに向かう。買い物をし、店から出ると僕のバイクの前でおっさんが腕組みして仁王立ちしている。ちょっと威勢が良すぎて面倒くさいタイプのラーメン屋の店主みたいな佇まいで立っている。 「おたくのバイク?」  ラーメン屋の店主、じゃねえや、おっさんがかなり人懐っこい感じで話しかけてくる。
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おっさん同士、バイクの話で盛り上がる
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テキストサイト管理人。初代管理サイト「Numeri」で発表した悪質業者や援助交際女子高生と対峙する「対決シリーズ」が話題となり、以降さまざまな媒体に寄稿。発表する記事のほとんどで伝説的バズを生み出す。本連載と同名の処女作「おっさんは二度死ぬ」(扶桑社刊)が発売中。3月28日に、自身の文章術を綴った「文章で伝えるときにいちばん大切なものは、感情である 読みたくなる文章の書き方29の掟(アスコム)」が発売。twitter(@pato_numeri

pato「おっさんは二度死ぬ」

“全てのおっさんは、いつか二度死ぬ。それは避けようのないことだ"――


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