恋愛・結婚

SNSで賛否両論「デート代奢り奢られ論争」で発言者が“炎上”するワケ

“表舞台”でも男性と対等でいたい女性も多い

カフェで喧嘩をするカップル 当然ですが、全女性が深田さんたちと同意見なわけではなく、逆に奢られたくないと考えている女性も多いはず。  確かに深田さんの主張どおり、男性よりも女性のほうがデートに臨むまでのファッション、メイク、自己投資にお金がかかっているのかもしれません。デートを“表舞台”に例えるなら、それらの支出は“舞台裏”の話ですから、深田さんは舞台裏まで含めたトータルの支出でフィフティ・フィフティにしてほしいという主張だったのでしょう。  けれど、女性のなかには表舞台でも男性と対等でいたいという価値観を持ち、男性に貸しを作りたくないからちゃんとワリカンにしたいという方々も大勢いるわけです。  にもかかわらず深田さんらの主張は、さも「私が女性代表です」「これが女性の総意です」と受け取られてしまうような言い回しだったため、否定派が炎上させるガソリンになってしまったのでしょう。

けっきょくは個々人の価値観の問題でしかない

 けっきょくは個々人の価値観の問題でしかないので、深田さんもあいかりんさんも大島さんも、個人的見解の“自分事”として語れば炎上はしなかったはず。  要するに、「私はデート代を出してもらいたいタイプ。だから私とデートしたい男性は絶対に奢ってください」と個人の価値観であることを明言すべきだったのでしょう。さらに、「私と同じような価値観の女性も一定数います。そういう女性とデートしたいなら奢ってあげたほうがいいですよ」と帰結させればよかったのではないでしょうか。  ちなみに筆者は大局的にはフィフィさんの意見に賛同していますが、デートでは必ず自分が全額出しています。ですから局地的な観点で言えば深田さんらと同じ考え方です。  とはいえ、女性にはお会計の際にバッグからサイフを出す素振りをしたり、女性から「いくら? 半額出すよ」という建前のセリフを言ったりしてもらいたいとも思っています。  女性がお財布を出そうとするのを制止して、「いいよ、俺が奢るよ」というところまでが一連の“プレイ”だと考えているからです。最終的には自分が全額出すので茶番と言えば茶番ですが、世の風潮が「デート代は男性が奢るべき」という価値観に染まりきってしまうと、その茶番を楽しむこともできなくなるのは残念だなと思います。
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男女が“ふるいに掛け合う”のが恋愛市場の真理
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恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『文春オンライン』、『smartFLASH』などにコラムを寄稿。LINE公式サービス『トークCARE』では、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。X(旧Twitter):@SakaiyaDaichi

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