「送迎ができず、子どもの習い事を諦めざるを得ない…」共働き親の悩みに塾経営の人気芸人が答える
9年連続でM-1の決勝ラウンドに進出し、’10年にM-1王者に輝いた実力派芸人、笑い飯の哲夫。小・中学生向け学習塾の経営者としての顔も持つ彼が、令和ニッポンの教育について考え、悩める親たちの相談に答えていく。
相談者◉44歳男性・会社員(妻、息子10歳)
自分も妻もフルタイムで働いており、リモート勤務もなかなかできない職種です。子どもたちの教育にはなるべくお金を惜しみたくないし、本人が望むならいろいろな習い事もさせてあげたい。
そんな気持ちもあってバリバリ共働きをしているわけですが、夫婦共に忙しすぎて平日は送り迎えができないために子どもの習い事をあきらめざるをえないという本末転倒状態に陥っています。せめて土日は就農体験をさせたりと工夫はしているのですが……。
子どもの教育のためにお金を稼ぎたい。でも忙しく働けば働くほど子どものために使える時間は減っていく。この矛盾とどう向き合っていけばよいでしょうか。
うちの家も両親が共働きでした。祖父や祖母も外で働いていたので、小学2年のときに曾祖母が他界してからは、学校から帰るとそこには無人の空間が待ち構えていました。上級生の姉はなかなか帰ってこず、ひとりでいる時間はとても不安だったことを覚えています。
殊に、学校で怖い話を聞いた日となると、ひとりきりの家は阿鼻叫喚の世界となりました。不可解な足音を感じたこともあります。
今思えばおかしなことですが、外でひとりでいるより、家でひとりのほうがよっぽど怖かったのです。おそらく、外でいるほうが、誰かしら人と繫がっていると感じられたのでしょう。また家に入ることで、群れから外れた動物のように、周りとの繫がりが遮断されたと本能的に錯覚していたのかもしれません。
耐えられないときは自転車で家を出て、畑で作業をしている祖父や、店で働く祖母に会いに行って、心の底から安心したものです。あの幼い経験は貴重なものだったと誇っています。
共働きゆえに習い事の送り迎えができない
哲夫のアンサー
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’74年、奈良県生まれ。県下随一の進学校・県立奈良高校から関西学院大学文学部哲学科に進学。卒業後の’00年に西田幸治と笑い飯を結成し、’10年、M-1グランプリ優勝を果たす。『がんばらない教育』『えてこでも分かる笑い飯・哲夫訳 般若心経』ほか著書多数
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