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競輪選手の職場結婚事情。結婚しても旧姓でレースに出続ける妻の意外な理由

バンクを疾走する競輪夫婦レーサー

小坂さん

現役ガールズ競輪選手の小坂知子選手と、元競輪選手の吉田将成さん 
本人提供写真(※以下同)

 一昔前は「男たちの戦い」だった競輪。だが、ここ最近はガールズケイリンの躍進で、そのイメージが大きく変化してきた。女性レーサーの人数も増え、それに伴い最近では選手同士の結婚を見かけることもしばしば。どの業界でも夫婦で同じ仕事というのは決して珍しくないが、「夫婦で競輪選手」となると俄然興味が湧いてくる。  そこで今回は、競輪選手同士で結婚した、吉田将成さん(昨年引退)、小坂知子選手(現役)夫妻にその実態を聞いてみた。

選手同士が結婚したことで生まれた相乗効果とは

 吉田さんのホームバンクが大垣、小坂さんが岐阜と、同じ岐阜県登録の選手だった二人は、30歳前後で知り合い、お互いお酒が大好きだったこともあり飲み仲間として意気投合したという。お互いが競輪選手であったことで、選手としての相乗効果は生まれたのだろうか。 ——お互い、競輪選手と結婚したことで自分にとってプラスになった点はありますか? 吉田:トレーニング内容に関しては嫁さんの方が詳しかったので、いろいろ教えてもらえたのは良かったですね。出会う前はあまりやっていなかったウエイトトレーニングなんかも始めましたし。 小坂:う~ん……なにかプラスになったことあったかな……(笑)。あっ、メカニックに関することは参考になりましたね。それまで、あまり自転車をイジったことがなかったので。その辺に関してはいろいろと教わりました。
小坂知子選手

小坂知子選手は結婚翌年の2018年にデビュー初優勝を記録した

——小坂さんはご結婚された翌年に初優勝したんですよね。やはり、吉田さんのアドバイスが大きかったんじゃないですか? 小坂:それまであまりやっていなかった街道練習を取り入れたっていうのはありますね。練習の仕方に関してはよく言い合ってました。お互い足りない部分を助言する感じで。ときにはそれで揉めたりもしてましたよ。 吉田:揉めるというよりは、僕が一方的に言われるのがほとんどでしたけどね(笑)。お互い脚質が違っていたので、練習においても得意なことと苦手なことが逆だったんですよ。で、人間って自分の得意なことをやり続けるじゃないですか。だから、練習方法も違っていたんですよね。僕は街道ばかり、嫁さんはウエイトばかりやってて。それで「もう少し長い距離を乗った方がいいんじゃない」ってアドバイスしたこともありました。
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結婚しても旧姓でレースに出続ける理由
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