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競輪選手の職場結婚事情。結婚しても旧姓でレースに出続ける妻の意外な理由

同時斡旋における夫婦関係

小坂知子さん お互いが選手として活躍していると、当然、同じ開催に出場することもあり得る。男女混合で競うこともある競艇やオートとは違い、同じレースを走ることは決してないが、同じ開催に参加しているときは何か心境に変化があるものなのだろうか。 ——お二人が同じ斡旋になったこともあると思いますが、そんなときはいつもより気合いが入るなど、心境の変化はありましたか? 吉田:結婚すると女の人って強くなるじゃないですか、家庭内で。だから、なんか顧問の先生が付いてきているみたいな感じになりましたね(笑)。それもあってか、僕は同じ斡旋だといつもよりピリっとしてましたよ。嫁さんよりも先に走ることが多かったので、ちょっとでもイイところを見せて、良いバトンをつなげられたらなと思って。 小坂:凡走したら私の説教が待ってるんでね(笑)。レースが終わった直後に「なんであそこ付いていかんかったんや!」とか、その場で言っちゃうんですよ。だから、同時斡旋だとフラストレーションを溜めずに済むので助かってます。 ——では、同時斡旋だとやりにくいから、できれば避けたいなんてことはないんですね。 吉田:それはないですね。むしろ、遠出の同時斡旋があると、帰りに一緒にお酒を飲みに行けるので、それが楽しみの一つだったりします。以前、京王閣競輪で一緒だったときは、そのまま東京に泊まって飲んで、次の日にスカイツリーに登ったりしてました。

お互いを高め合い共に楽しむ理想の夫婦像

 話の端々で出てくる「お酒」。単なる呑兵衛夫婦かと思いきや、吉田さんが現役時代は、それぞれの足りない部分をお互いにカバーしながら選手としてのスキルを高めつつ、同じ斡旋のときは全力で一緒に楽しむ。まさに、競輪夫婦の理想形だったのではないだろうか。  また、吉田さんが語っていたように、夫婦同時斡旋のときは心境的にも一味違って、特に気合いが入っている可能性もあるため、現役の夫婦選手に注目していれば、思わぬ高配当をゲットできる……かもしれない。 文/サ行桜井
パチンコ雑誌『パチンコ必勝ガイド』『パチンコオリジナル実戦術』の元編集者。四半世紀ほど勤めた会社を退社しフリーランスに。現在は主にパチンコや競輪の記事を執筆している。
X(旧Twitter):@sagyosakurai
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