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大人の鉄道スタンプラリー「鉄印帳」。第三セクター鉄道40社をコンプリートしてみた

―[シリーズ・駅]―
 鉄道版の御朱印として第三セクター鉄道等協議会と読売旅行出版社が3年前から行っている『鉄印』。今では鉄道ファンの間でもすっかり認知され、同協議会に加盟する全国の第三セクター鉄道40社の鉄印をコンプリートするため、鉄印帳片手に全国を飛び回る愛好家も少なくない。  実は、筆者も鉄印の受付が始まった20年7月10日に鉄印帳を購入。当時の模様は『コロナ禍でも完売。大人の鉄道スタンプラリー「鉄印帳」でローカル線巡り』でも紹介している。  普段から取材で地方に行く機会が多いため、そのついでに寄れば早い段階で完全制覇できると考えていたがコロナ禍の影響で出張が激減。さらに病気で入院したこともあり、40社すべての鉄印を集めたのは22年11月。約2年4か月と思った以上に長くかかってしまった。
鉄印帳

コンプリート達成者が貰える鉄印帳マイスターカードと会津鉄道トロッコ列車の優待乗車券

鉄印を口実に各地を訪れる鉄道ファンや旅行者が増加

 鉄印は20年7月に起きた九州豪雨災害で甚大な被害を受けた熊本のくま川鉄道のみネット通販での購入が可能だったが、それ以外は各鉄道会社の指定駅のみでの販売。さらに購入の際には鉄印帳に加え、乗車券の提示が必要となる。  北は道南いさりび鉄道(北海道)、南は肥薩おれんじ鉄道(熊本・鹿児島)と全国に点在するため、一度に全部回るのはほぼ不可能。難易度は思った以上に高かったが、鉄印はそもそも地方鉄道の沿線地域の振興が目的。

入手のハードルが高いのは…

 鉄道ファンでも普段利用するのは乗り放題の「青春18きっぷ」などで安く旅ができるJRばかりという人も多く、鉄印がきっかけで訪れたケースも珍しくない。筆者も全40社中15社は初めて乗車した鉄道会社だった。  なかでも鉄印入手のハードルが高いと感じたのは平成筑豊鉄道(福岡)。冒頭で紹介した3年前の記事でも触れているが、駅窓口での鉄印の記帳受付は月~金の平日のみ。しかし、筆者訪問後の21年2月からは自動販売機での鉄印販売がスタート。  むしろ、現在は駅の営業時間内ならいつでも入手可能となり、どの鉄道会社よりも便利になっている。
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予約が殺到した鉄道も
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フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。

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