若手会社員が“出世の代償”に払ったサラリーマン地獄「休日返上で営業所長の私用の手伝いに…」
職場の実情は、実際に働いてみないとわからないもの。外野からは雰囲気が良さそうに見えても、その内実はブラック企業だった……なんてことは良くある話だろう。
食品メーカーで営業職をしている安藤拓海さん(仮名・32歳)がかつて勤めていた会社もそうだった。本来の業務とは関係がない用途で“召使いのように”こき使われた経験があるのだとか。
「得意先回りが中心のルート営業だったんですが、人と打ち解けるのはわりと得意なので、仕事は苦じゃありませんでした。ノルマもキツくないし、残業も1日1時間ぐらい。仕事自体はわりとラクに感じていました」
入社5年目の頃に、安藤さんは北関東の営業所に配属になった。のんびりした営業所で、ノルマは下がり、メンバーの人柄も良かった。だが、飲み会の席で掛けられたある言葉をきっかけに、その状況は変化していくことになった。
「所長に『最近、身体動かしてるか?』と聞かれたんです。大学まで野球に打ち込んでいたものの、働き出してからは運動する機会があまりなくなっていたので、『このところめっきりなので、なにか(スポーツを)やりたいですね』と答えました。すると、前のめりで『ロードバイクをやらないか?』と誘われたんです」
営業所のトップである所長からの誘いということもあり、その話を快諾することにした。
「自転車は所長が貸してくれて、2人でツーリングに出ました。いきなり50km走ることになって、正直めちゃくちゃキツかったですが、所長に良いところを見せようと思い、必死に食らいついて完走しました。その甲斐もあって、『おまえは根性があるな』と褒められました」
飲み会でのふとした一言がきっかけで…
「根性があるな」と褒められたが…
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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