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元セクシー女優が「セクシービデオの台本事情」を暴露。“ドラマ部分”も飛ばさずに観てほしい

 セクシービデオに台本が用意されているのを知らない人は多いらしい。現役時代、業界とは関係のない一般の人から「あんなのチャチャッと雑に撮っているのではないのか」「台本なんて必要なの?」なんて言われたことさえある。  たしかに内容によっては“チャチャッと”撮影するが、それでも台本は一応存在している。それがどんな素人ものでも存在しているのだ。セクシー業界の台本執筆は、私が現在担当する業務の一つなので、現場の裏側をこっそりとお教えしよう。

渡される台本はペライチから大ボリュームまで

たかなし亜妖さん

元セクシー女優で現在はフリーライターの「たかなし亜妖」

 台本のボリュームの多さは内容によりけり。素人ナンパものや盗撮系に細やかな設定をつけてしまえば、リアルさがなくなってしまう。より現実へ近づけたいときや、尺が短く、役を練り込む必要がないときだと台本は2〜3ページ程度。詳細と流れだけを簡単に書いた紙を、1枚だけ渡される現場も過去にあった。これだと台本というよりかは超簡易的な企画書のようにも思えるが……。  なお、ドラマものや尺が長い作品だとページ数とセリフの量が一気に増える。90〜120分尺のドラマになると、女優は撮影当日を迎えるまでにセリフを暗記せねばならない。そのため、台本は遅くとも数日前までにプロダクションを通じて彼女たちの手元へ届けられる。  ただメーカー側の都合で、超ギリギリに詳細が届くことも少なくはない。私も現場3日前にそこそこなページ数のホン(台本のこと)のデータがきて、激しく戸惑ったのを今でも覚えているくらいだ。

セクシービデオの台本には何が書いてある?

 セクシービデオの台本には一体何が書かれているのか、気になる人も多いだろう。肝心の濡れ場の詳細など、男性ならつい聞きたくなる部分だとは思う。業界では濡れ場を「絡み」と表現するが、絡みにおける設定はあまり細かく定められていない。記載されているのは必ずやってほしい項目、男優に織り交ぜてほしいプレイ、だいたいの尺の長さくらいで、1から10まですべてが決まっていることはない。  なぜなら当日は何が起きるか分からないし、予想外の出来事が意外と作品として良い方向に繋がる可能性が考えられるから。絡みに関しては現場次第なのである。いくらオトナ向けビデオの台本と言えど、性的なシーンが多めに盛り込まれているだけで、他の部分はVシネなど、一般的な映像作品とそう変わりない。  ただホンの書き方は人によって大きく異なり、事細かく書く監督もいれば、ざっくばらんなパターンも見られる。この点については書き手の個性が色濃く出るポイントであろう。
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女優のリアルな様子が観られる作品の特徴
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元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。
Twitter:@takanashiaaya

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