更新日:2023年06月02日 15:07
ライフ

「反日的な投稿はバズりやすい」TikTokに存在する“ビジネス反日”の正体<漫画>

“想像していた日本”とのギャップは

——そうした国民性みたいなものが日本人にはない魅力や強みになっている面もあると思いますが、孫さんも来日した時はネガティブなカルチャーショックが日本であったのでは? 孫:僕の友達なんか見ていると家族関係が想像以上に希薄だなというギャップはありました。僕が 子供の頃によく観ていた『サザエさん』『ちびまる子ちゃん』といった日本のアニメでは、よく親子で一緒にごはんを食べるシーンがあって、家族団欒みたいなイメージでしたけど。今の日本人は一緒に暮らしていても、なぜか一緒にご飯食べないし、そもそも親と会話する時間も少ない気がします。日本では一人ひとりの生活スタイルを尊重する個人主義的な傾向が強まっているんでしょうね。 ——中国の方は血の繋がりが強いですもんね。 孫:中国では今も家族みんな揃って一緒に夕飯を食べるって当たり前です。帰りが夕食の時間に遅れたら母親にめちゃくちゃ怒られます。

TikTokがプロパガンダ的な機能を…

——やはり日本で働く中国の方は、孫さんのように中国での暮らしに疑問を持っていたり、日本の文化に興味関心があったりする人が多いんでしょうか? 孫:もちろん、そういう人も少なくないと思いますが、単にお金稼ぐことが目的の人も多いので、あま り親日的ではない中国人もいます。TikTokなどで中国人向けに反日的なテーマの投稿をすると、アクセス数や「いいね!」を稼ぎやすいから、若い留学生とかもよく反日的な投稿していますよ。本当の反日というよりはビジネス的な反日かもしれませんが、中国ではTikTokがプロパガンダ的な機能を果たす重要なメディアになっています。 ——日本でも嫌韓・嫌中ビジネスは存在しますが、いわゆるZ世代みたいな若者を取り込んでいるイメージはあまりないですね。 孫:この前も広島の原爆平和記念資料館を訪れた中国人留学生がTikTokで不謹慎な投稿をして、Twitter上で騒ぎになっていました。しかも、その留学生が広島の公益財団法人平和文化センターの奨学金をもらっていたとかで……。広島市議会議員さんに非難されていましたね。
次のページ
「日本にいても中国人の友達しかできない」悩み
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ