ライフ

パパ活アプリを始めたおっさん。とんでもないプロフィールで釣果を期待するも……

まずはパパ活アプリをダウンロードしてみる

4649465_m そんなこんなで、実際にパパ活を開始しようと決意したのだけど、何をしていいのか全然わからず、僕のところに駆け込んできたらしい。僕自身もパパ活とはまったく縁のない生活を営んでいるので駆け込んでこられても困るのだけど、せっかく頼ってくれたので何とか力になりたいと検索を駆使して調べ上げた。 「どうやらパパ活には、そういったアプリの利用が良いみたいですね。パパ活したいおっさんと女性を結ぶマッチングアプリみたいなものがあるみたいです」 「さっそくそれをダウンロードしよう」  こうして、僕と知り合いのおっさん、そして赤塚さんの3人はパパ活を攻略すべく、近くの居酒屋に移動して作戦を練ることになったのだった。 「なんかダウンロードできないわ」  赤塚さんが首を横に振る。どうやら赤塚さんのスマホは、あまりに携帯料金が高いのでデータ通信量が少なくて安いプランにしていたらしい。とっくに通信制限に達していて速度が遅くなっていた。居酒屋の店内にWi-Fiの掲示があったので、それにつないでダウンロードするように促す。

パパ活アプリはプロフィールが命

「やっぱり詳しい人に相談して良かった」 「だろ、こいつに相談すれば間違いねえのよ。もうハッカーよ」  こんなアドバイスでハッカーになれるのだから、おっさんどもはまあチョロい。 「おお、すごい!」  アプリをダウンロードし、さっそく開いてみると、いきなり数名の女性の写真が表示された。 「この美人たちがみんなパパ活をしているのかあ」  赤塚さんはなぜか恍惚の表情を見せた。さっそく目ぼしい美人にメッセージを送ろうとするが、まずは会員登録をしてプロフィールを登録しないとその先に進めないようになっているらしい。 「ちょっとまて、この登録は重要だぞ!」  おっさんが赤塚さんに檄を飛ばす。 「こういうのはプロフィールで勝負が決まるんだから、しっかり考えなくちゃならん」  赤塚さんがスマホの画面を凝視しながら深く頷く。 「まずはニックネームからです」 「普通に赤塚でいいのでは?」  僕がそう提案するとおっさんは首を横に振った。
次のページ
金持ちっぽい登録名を模索してみた
1
2
3
4
5
テキストサイト管理人。初代管理サイト「Numeri」で発表した悪質業者や援助交際女子高生と対峙する「対決シリーズ」が話題となり、以降さまざまな媒体に寄稿。発表する記事のほとんどで伝説的バズを生み出す。本連載と同名の処女作「おっさんは二度死ぬ」(扶桑社刊)が発売中。3月28日に、自身の文章術を綴った「文章で伝えるときにいちばん大切なものは、感情である 読みたくなる文章の書き方29の掟(アスコム)」が発売。twitter(@pato_numeri

pato「おっさんは二度死ぬ」

“全てのおっさんは、いつか二度死ぬ。それは避けようのないことだ"――


記事一覧へ
おすすめ記事