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パパ活アプリを始めたおっさん。とんでもないプロフィールで釣果を期待するも……

レッドバロン43歳のアピールポイントとは?

「問題は自己PRですね」  赤塚さんが不安げな表情を見せる。レッドバロンの要求はあくまでもパパ活だ。そういったものを期待していると表現しつつ、遠回しにそれらをアピール、なおかつお金を持っていることもアピールしなくてはならない。直接的に「パパ活」と書くと売買春に繋がるということで削除されるらしい。 「実際にはお金を持っているわけではないですし、そういう状況でどのようにしてパパ活をアピールしていくかという問題があります」  赤塚さんの自己分析は冷静だ。っていうか金を持っていないのにパパ活したいんだな。 「まずはお茶や食事を一緒にしてくれる方を募集します、でどうでしょうか」  僕の提案に赤塚さんも頷く。 「まあ、それでいってみようや」  おっさんも承諾した。

案の定、マッチングは難航を極める

 こうしてレッドバロンのプロフィールは完成し、あとはマッチングを行うだけとなった。次々に表示される女性のプロフィールを見てレッドバロンが良いと思う女性に「いいね」を送る。向こうも「いいね」を送ってきたらマッチングとなり、個別でメッセージのやり取りなる。  レッドバロンは次々と「いいね」を送るのだけど、これがまあ、まったくマッチングしない。有料プランに誘うための嘘っぽい「いいね」は来るけど、レッドバロンが送った相手からは返ってこない。たぶん、アイナメの画像が良くない。 「赤塚ちゃん、若くてかわいい女にばかり“いいね”するからいかんのよ。そういうのは人気あるんだから、もっとブスにいけ」  おっさん、ひでえアドバイスだな。 「たぶん、自己PRが無難すぎてだめなんですよ。もっと金があるアピールしないと」  どう考えてもアイナメの画像だと思うのだけど、レッドバロンはあくまでも自己PRから金の匂いがしないのが悪いという。 「石油王とか書くと金持ちアピールにはなるけど、なんとなく嘘っぽい。一歩くらい引いて石油とか書いたらどうだろう」  おっさんのアドバイスが相変わらずひどい。 「とにかくなんでもやってみるべきですね。変えてみます」
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プロフィールをもっと「カネの匂い」がする感じに修正
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テキストサイト管理人。初代管理サイト「Numeri」で発表した悪質業者や援助交際女子高生と対峙する「対決シリーズ」が話題となり、以降さまざまな媒体に寄稿。発表する記事のほとんどで伝説的バズを生み出す。本連載と同名の処女作「おっさんは二度死ぬ」(扶桑社刊)が発売中。3月28日に、自身の文章術を綴った「文章で伝えるときにいちばん大切なものは、感情である 読みたくなる文章の書き方29の掟(アスコム)」が発売。twitter(@pato_numeri

pato「おっさんは二度死ぬ」

“全てのおっさんは、いつか二度死ぬ。それは避けようのないことだ"――


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